とことん「本質追求」コラム第498話 無能なテレアポ会社にムダな費用を払っていませんか?

 

「テレアポ代行会社に毎月30万円も払っているのに、成果がゼロなのです。どう思いますか?」

 

本当に不思議なもので、同じ相談が立て続けに来ることがあります。

きっと、神様が私に「吠えろ!」と言っているのでしょう。

 

期待にお応えして、今回は辛口発言をします。

 

ハロー効果をご存知でしょうか?

 

・東大卒業だったら、仕事が出来るに違いない

・前職で優秀な営業だったから、うちに来ても活躍してくれるに違いない

・上場企業だから、優れたサービスを提供してくれるに違いない

 

目立ちやすい象徴や特徴に引きずられて、その人格や期待することの評価が歪められてしまうもので、心理学では、認知バイアスと呼ばれるものの1つとして有名な現象です。

 

テレアポ代行会社は、比較的大手が多く、中には上場企業もあります。

 

大きな会社で、実績多数。

これまでの「成果」の事例を並べ立てられると、「それならウチでも…」と期待してしまうのは、ある意味当然なのですが…

 

「前提が異なれば、判断も異なる」と言うハロー効果の前提を踏まえて、改めて判断を見つめ直す必要があります。

 

他社の成功事例と自社の商材の類似点は何か?

ターゲットの類似性はあるのか?

テレアポの目的(面談のこぎつけや担当者リサーチなど)は同じか否か?

決済者、担当者、誰にアプローチしたのか?

自社リストは、決済者または担当レベルまで到達可能なリストか?

 または、テレアポ会社がそれを持っているのか?

テレアポの成功率を引き上げる「ニュース性」や「意外性」はあるのか?

アポ獲得後の営業リソースに成功企業との相違点はあるのか?

 

などなど、少し考えただけでも「自社の営業活動にテレアポ外注業者がマッチしているか否か」の検討・分析材料がピックアップできます。

 

マッチしていなければ、自社の戦略・戦術を見直して、テレアポ外注業者の「能力」に歩み寄るか、それとも、外注しないか、を判断しなくてはなりません。

 

「えっ? テレアポ会社が、うちの商品をどうやって売るべきか、戦略・戦術も提案してくれるのではないでしょうか?」と、素朴な疑問が湧いてくる方もいると思いますが…

 

残念ながら、それは都合の良い幻想である… と認識しておいた方が良いでしょう。

 

稀に、彼らが提案する戦略・戦術がバッチリ当てはまることもありますが、それは「過去にそっくりなケースを経験して、成功したことがある」程度のもの。

 

ゼロから、彼らがクリエィティブして実績を挙げたケースは、一度も見聞きしたことがありません。

 

現実は逆です。

 

「君たちは本当に電話セールスのプロか?」と耳を疑いたくなるような、提案や報告書しか見たことがありません。

 

 

藤冨はこれまでのテレアポ外注業者が出してきた「トークスクリプト」をクライアント企業から何十件と見せられてきましたが、添削がゼロだったケースは一度たりともありませんでした。

 

それどころか「全く話にならん!」と怒りがこみ上げてくることすら、決して稀ではありませんでした。

 

先日もこんなケースがありました。

成果ゼロ件と言うので、「えっ? 以前社長から概略を聞いたときはイケると思いましたが…」と不思議に思い、スクリプトをメールで転送してもらうと…

 

破り捨てたくなるようなスクリプトだったのです。

きっと、熟練の営業マンだったら、私と同じ感想を抱くはずです。

 

何とそのスクリプトは、1回の架電で「3種類の商品」を同時に提案していたのです。

 

伺えば、クライアント企業側の希望を組んで作られたスクリプトだったそうです。

 

しかし、プロならば、いくら希望があっても断れなければなりません。

「そんなトークでは、アポは取れません!」と。

 

それがプロではないでしょうか?

 

クライアントの目的を達成するために、スクリプトがどうあるべきか?を設計ができないテレアポ外注会社なんて、新卒の新入社員と一緒です。

 

言われたことをやりましたが、成果が出ません…。

きっと商品が悪いんですよ、と。

 

はっきり言いましょう。

商品が悪いのではなく、あなた(テレアポ会社)たちの姿勢が悪いのです。

 

 

プロならば、成果をあげることに真摯でなければなりません。

クライアントのご機嫌取りなら、住宅地をうろつく野良猫でもできます。

 

そもそも、テレアポには「成果を上げやすいアプローチ」と「上げにくいアプローチ」があります。

 

これは、電話を受ける側の心理から考えれば、至極当然のことです。

 

知らない人から営業電話がかかって来たら、9割5分の人が「早く切りたい」と言う心理になるはずです。

「社長(決済者)は、いますか?」と電話口で告げられた事務員さんが、「はい。お待ちください!」なんて、取り次いでしまったら、社長から怒られるはずです。

 

「無駄な時間」が生産性を下げることを教育しない社長なんて、存在しないからです。

 

「早く切りたい」「取り継ぎたくない」

この圧倒的大多数の人が抱く感情から、トークスクリプトを設計しないといけないのです。

 

つまり、「私は御社に重要なことをお伝えしようとしています」と言うインパクトが強烈にないといけないわけです。

 

重要な話を通さなかったら、逆に社長(決済者)に怒られるかも…と、そうゆう心理に持っていくことが「テレアポで成果を上げる」最重要ポイントなのです。

 

大切なことなので、もう一度言います。

重要な話をしているのですよ」と、相手に強烈な印象を与えることが大事なのです

 

重要な話が2個も3個もありますか?

それを相手は正確に正しく認識できますか?

 

そもそも論として、コミュニケーションというのは「それを言ったときに、相手がどう受けるか?」をイメージすることが大切です。

 

 

大切な話は、シンプルでなければなりません。

そして、なぜ「今聞かなければいけないのか?」という理由がなくてはいけません。

 

だから、テレアポの成功率を上げるには「ニュース性」と「意外性」が必要なのです。

 

藤冨の著書「ムリせずウソをつかず1億売れた営業トーク」にも、このニュース性と意外性を押さえることでテレアポの効率をあげた事例を書いていますが、プロである以上、論理を突き詰めて再現性を高める努力をする必要があります。

 

発注者側も、そのことをよく理解した上で、厳しい選択眼で業者選定から、業務への落とし込みをする必要があります。

 

毎月40万円もあれば、どのような「セールスが有効か?」をFacebookの人工知能を使っていくらでもテストが出来ます。(5万もあれば、十分です)

 

そっちの方が、短期的にも長期的に見ても、着実に会社に売上利益をもたらしてくれます。

市場の「生の反応」を分析してくれるのですから、ある意味当然の結果です。

 

御社は、業績を上げるための「正しい選択眼」を持つ努力をしていますでしょうか?