第229話 営業が苦手な人は傲慢体質です

2016-10-11

 

 

 

「営業を設計する技術を読んで改めてわかりました。 要するに仮説と検証を繰り返せ! という事ですよね?」

 

 

先日、数年前にプロジェクトをご一緒したクライアント企業さんが上京されるというので会食をしてきました。

 

プロジェクトは順調に自走しているようで、社員の皆さんも的確なる営業活動ができるようになったとのこと。

 

上京する飛行機の中で、もう一度振り返ってみようと拙著を読んで頂いたようですが……まさにズバリの的を得た書評でした。

 

営業という仕事をとても難しく考える人がいますが、それは大いなる誤解に過ぎません。

 

営業の仕事は、突き詰めて考えると、とてもシンプルです。

そして、このシンプルな本質を理解し、体得できれば、どのような商品でも売ることができます。

 

石鹸であろうと、ブルドーザーであろうと、何でもです。

 

消費材も、生産材も関係ありません。

部品であろうと、完成品であろうとも皆一緒です。

 

では、営業の仕事の本質とは何か?

 

それは、自社が第三者に提供できる「顧客メリット」を正しく理解すること。

次に、その「顧客メリット」を誰が最も価値あるものとして享受してくれるか…を突き詰めること。

 

たったこれだけのことです。

 

営業が苦手という人は、このシンプルな本質を軽く見ているケースがほとんどです。

 

自社が提供できる「価値」を突き詰めて考えていなかったり…

相手が望むことを、突き詰めて洞察していなかったり…。

 

つまるところ、徹底的に仕事をする努力をせずに、何とか都合よく売れないものか…と、考える傲慢な態度から脱却できていないのが、営業に苦手意識をもつ根本的な原因であるケースが大半なのです。

 

これは、営業マン個々の問題であるケースもあれば、会社全体の営業活動がそうなっている場合もあります。

 

会社全体の営業活動がそうなっている場合には、即刻「姿勢を改める活動」を取り組むべきです。

 

取り組まない期間に垂れ流す人件費など、固定費をムダに流出しているのですから、もはやこの問題は経営責任でもあります。

 

では、どこから、どうやって取り組むべきなのか?

どこから、着手して、どのように仕事を進めていけば良いのか?

 

それを突き詰めて考え、滞りなくお伝えしたいと思い綴ったのが、拙著「営業を設計する技術」だと自負しています。

 

営業を設計する技術では、

1.自社が有利に戦える市場に絞り

2.インパクトユーザーを獲得し、

3.その信用力を使って、拡販する

 

この3つのプロセスを説いています。

 

そして、この3つのプロセスの中で、セミナーでは、特に注力してお伝えしていることが1の「市場を絞り込む」作業です。

 

なぜなら、自社が提供できる「顧客メリット」を、提案先、商談相手がどれだけ受け入れられやすいかが、営業効率…つまり業績の躍進性に直結するからです。

 

さらに、対象となる市場を絞り込めば、提案する見込客の「状況、課題や問題」が理解できていきます。

 

自分事のように相手の状況や問題点が認識できれば、最善の解決策はどうあるべきか?を考えることが出来ますし、それを伝えることによって、商品を売っているというのではなく、価値を提供しようとしている…と相手にもしっかりと伝わっていきます。

 

ここがミソなのです。

 

商品を売るのではなく、価値を提供する。

機能や性能を押し付けるのではなく、そこから得られる「顧客メリット」を伝えることが、売れる営業のコツのコツになります。

 

ここにフォーカスをすると、「自社が提供できる顧客メリットとは何か?」を追求し、「そのメリットを価値あるものとして受け取ってくれるお客様(市場)は誰か?」という問い続けることが、営業活動の本質だと理解することができます。

 

そして、活動をし続ける中で、ある市場にとっては、我が社の提供する商品がしっかりと顧客メリットに変換される。ある市場にとっては、あまりメリットを感じることができない…という状況が生まれてきます。

 

となると、次に攻め込む市場は、どこなのか?

または、提供すべき価値を捉え直し、どう市場にマッチングさせていくのか?

 

この仮説を作り、検証し続けていくことで、組織的な営業力が必然的に向上していくのです。

 

冒頭の社長さんは、私とのプロジェクト期間中に創り上げたノウハウをベースに、自社の商品を見直し、提供する顧客メリットを充実させているそうです。

その結果、既存顧客から追加受注も獲得でき、周辺市場の開拓にも高反応を得ているとのことでした。

 

我が社が提供している顧客メリットは何か?

この仮説をつくることを明確にすること。

 

そして、見込客はそれを受け入れたのか?

この検証結果を真摯に受け取ること。

 

この作業を繰り返すことで、自社商品のあり方と販路開拓の方向性の次なる仮説が必然的に浮き彫りになっていきます。

 

新商品なので、これまでの営業が通用せず、自信を無くしている…。

そもそも技術系会社なので、営業には自信がない…。

 

こういった悩みは、そもそも経験不足が起因しています。

 

しかし、ある一定のやり方で成果をあげれば間違いなく自信がつきます。

小さな成果であっても、投資額を増やしアプローチする市場層を拡げれば、確実に売上に繋がるし、コツさえ摑めばどのような商品でも横展開が出来るようにもなります。

 

大事なのは、仮説と検証プロセスを繰り返せば、必ず成功に行き着くという「自信」を持つことが大事で、社員にもこのような成功体験を実感させることが重要なのです。

 

私の仕事の詰まる仕事は、クライアント企業さんの自信をつけることであろうと最近気づかされることが多いです。

 

23歳でお世話になったマーケティングコンサルタント会社「日本オリエンテーション」で、電機メーカー、食品メーカー、医薬品メーカーが「顧客メリット」を追求する姿勢を目の当たりにし、次に転職したシステム会社である「アルファクス・フード・システム」で、「顧客メリットを追求したセールス」で、コンサルティング会社で教わったノウハウを実践するなかメソッドの正しさに確信を持つ様になりました。

 

この経験値を、いまのコンサルティング先でも実践し、確かな手応えをクライアントさんと共有する中で、小さな成功もあれば、会社のステージがかわるほど成功したケースもあります。

もちろん、失敗経験もありますが…

 

それを通じて確信していることは、仮説―検証を繰り返せる「道筋」をつくり、成功体験をつくることだと思っています。

 

このような活動を通じ、営業という仕事が、経営の本質まで食い込めることを私は強く願っています。

 

経営の神様P・Fドラッカーは、「経営の目的は、顧客の創造である」と説きましたが、まさに波及営業の目指すところは、「顧客の創造」でもあるので。

 

 

御社の営業活動は、仮説―検証を繰り返していますか?

 

 

※まだ、「営業を設計する技術」(かんき出版)を読んでいない方は、ぜひご一読ください。

「営業」を設計する技術

コラム更新〈毎週火曜日〉をメールでお知らせします!

■メールアドレスをご登録頂くと、毎週火曜日の更新時にお知らせメールが届きます。
見逃さないために是非ご登録ください。

バックナンバー