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第591話 ChatGPTは、従来のリスティング 広告による集客を無効化してくるのか?

「ChatGPTをみんなが使うようになると、検索エンジンの必要性が薄れてくると思います。今は、リスティング 広告で「問い合わせ」を獲得していますが、今後どうなるでしょうか?」

先日、クライアント企業の社長さんから深刻な様子でご相談を頂きました。
同社は、数年前より営業部隊の集客活動をすべてネットに移行して、順調に業績を伸ばしている企業です。

たしかに、不安になる気持ちはわかります。
AIスピーカーが台頭してきた際も、同じような不安を口にする人たちがいました。

しかし、正直どこまで生成AIが進化し、どこまで社会に浸透し、どこまで活用範囲が皆に広がっていくのか…
正直言って、未知なことが多すぎるので、結論的には「具体的な対策を今から気にする必要はない」というしかありません。

昨年末、突如「ChatGPT」が、登場した時を振り返れば分かる通り、技術の進化は我々の予測を遥かに超えてくるからです。

現に、ソフトバンクの創始者である孫正義は、【AIが進化し、今後「AGI(Artificial General Intelligence 汎用的人工知能)」になり、今後10年で全人類の叡智の10倍を超える】と主張しています。

全人類の叡智の10倍…

この時点で、すでに予測不可能です。

だからと言って、指を加えたまま”何もせず”に未来に向かっても良いのかと言うと、そうではありません。

AIやAGIの構造を理解して、今からできることは、今から地道に対策を打っておくことは大切だと思います。

まず、「構造」を理解するために、ネット広告のこれまでの歴史を振り返ってみたいと思います。

1998年。今から25年前に創業したGoogleは、伝統的な大手製造業者や金融機関を押し退けて世界的企業に成長しました。
彼らの収入源は、80%以上が広告収入です。

テレビが、無料で娯楽やスポーツ観戦を人々に提供し、集まった人たちに広告を提示して、広告主から収益を得るビジネスモデルと構造的にはまったく一緒。
Googleは、世界中のホームページを自社サーバーにコピーして、人々がホームページを探しにきた「キーワード」に対して、広告を提示する極めてシンプルなビジネスモデルで世界の頂点に君臨しました。

また、もう少し構造を詳しく読み解いていくと、さらにGoogleがテレビ業界を押し退けて躍進した理由がわかります。

そもそもテレビCMは、番組数と時間が制約条件となり、広告枠が限定的です。
しかし、ネット上に溢れかえるホームページの数は、無限です。
従って、広告枠に制約がありません。

そのため、個人に毛が生えたような事業主から超大企業までGoogleのリスティング 広告に費用を払っています。

裾野の広さ…これがネット広告の最大のポテンシャルだったのです。

上述のクライアントさんも、過去10名ほどの営業マンで見込客を発掘していましたが、今では営業マン一人の人件費程度の広告費で、以前の売上の2倍以上を叩き出しています。
ある意味、Googleサマ様です。

そのビジネスモデルが崩れる可能性が、この数年来に到来するとなれば、たしかに焦ります。

ChatGPTが、著しいスピードで世界的に普及したとき、いち早くGoogleの経営幹部が「非常事態宣言」を出したように、この大きな社会変革が、私たちのビジネス環境や生活環境に大きなインパクトをもたらすことは間違いありません。

しかし、企業の経営環境という観点から、生成AIの発達と社会浸透を眺めていると、これはもう良いニュースでしかありません

・ルール化されたビジネスプロセス
・明確に言語化された指示命令を出せる業務
仕組みが整った企業は、大きく飛躍するチャンスが生まれています。

また、集客環境も、間違いなく新たなモデルが近い将来リリースされるはずです。
この新たな広告手法を先取りできるか否か…
ライバルと大きな差が開く要素になるのは、火を見るより明らかです。

なお、ChatGPTをはじめとした「生成AI」は、学習データの蓄積と自然言語での問いに対してのアウトプットの質が、社会的浸透のカギを握っています。

つまり、どのようにデータを学習させていくか…また、どのようなプロンプト(AIに指示命令する言語)を入力するか…。これが生成AIと共生・活用していく際のキモになります。

すでにお気づきになった読者さんもいますが、この数ヶ月間藤冨はコラムの最後に必ず[著:藤冨雅則]と記載しています。
この文書は、藤冨雅則が書いた文書だと蓄積させるためです。

これはあくまでも極々小さな一例にしか過ぎませんが、AIにプロンプトを入力する人々の感情や思考を想像し、AIがどのように答えを出すだろうか…と推測するセンスが大切になっていきます。

また、同時にAIが社会に浸透したあとの人々の「質的変化」にも、想像を巡らせ対策をしておくことが必要です。

えっ?まだAI黎明期なのに、もう消費者の質的変化が起きたの?
と思わせるような記事が、すでに日経新聞に掲載されていたから驚きです。

2023年11月11日「わたし選ぶのやめました ご飯はルーレット、旅はガチャ」と日経新聞の見出しに目が止まりました。

「(購買の)意思決定はストレスだ。自分に合うものがどれなのか教えてほしい。情報過多の中「選べない消費者」の姿を追った…」と選択を放棄した若者たちの消費行動が明らかにされていました。

購買の意思決定や自分の好き嫌いなどの好みまで、判断はAIで…。

末恐ろしいことですが、我々はすでにその世界で生きています。
好むと好まざると、この流れはますます加速していくに違いありません。

御社は、新しいビジネス環境の到来に、どのような準備をはじめていますか?

[著:藤冨雅則]

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