第204話 大型商談を射止める技術

2016.4.19

 

「今度、億商談があるのですが……お手伝い頂けないでしょうか」

 

今年に入ってすぐ、2年前にお手伝いしていた産業機器メーカーの社長から電話を頂き、始まったプロジェクト。

 

プロジェクト期間中も、私が同行した企業が、たまたま一千万円単位の受注に至ったらしく、今回も「縁担ぎ」を兼ねてご相談されたようです。

 

3ヶ月におよぶ提案を経て、先週ようやく「無事成約!」との吉報の連絡が入り、祝杯をあげる席で「受注時の状況」を聞くと、実力もさることながら、幸運が積み重なった好結果であることが分かりました。

 

商談は「運」も大事です。

売り先の社内状況、訪問するタイミング、競合のメンタリティーなど、こちらではコントロールできない要素も受注決定にインパクトを与えています。

 

ただ、このコントロールできない要素まで思いを馳せながら、運を味方につける努力が大切だと、私は考えています。

 

サラリーマン時代に、数千万・億商談を受注した際、他の営業マンからは「藤冨はあんな分厚い提案書を作っているけど、本当の営業マンは提案書なんてつくらない…」なんて陰口も聞こえてはいました。

 

努力をしない言い訳は無視。
なぜなら、運を味方につけるためには、想定できるチャンスをいかに摑み、起こり得るリスクをいかに排除するか…

 

考えうる「受注確度向上手段」には、すべての「手」を打つ事は、間違いなく重要だからです。

 

9割がムダな努力に終わったとしても、残りの1割りが、受注の決定要素になれば良い。

 

大型商談に対する正しい姿勢は、「受注確度を極限まで上げる」と同時に「失注要因を徹底的に排除する」集中力が必要だと藤冨は考えます。

 

 

では、具体的にどのような視点で、大型商談の外堀を掘っていくか…様々な業界に対して参考となる共通点をあげてみたいと思います。

 

1.なぜ、それが必要か? 経営的な視点で効用を見定める。

法人営業の場合は、商品選定者(担当者)と購買決定者(決済者)が
異なるケースが大半です。

つまり、商談相手の後ろに、役員会や経営者がいるわけです。

多くのケースでは、商品選定者は「業務の最適化」が目的になってい
るのですが…

経営者からするとそれは手段の一つでしかないわけです。

ここが、ずれたまま提案活動がなされていることが非常に多い。

最終的にハンコを押す瞬間、なにが受注決定要素として「インパクト
を与える要素になるのか?!」

この1点に集中して「提案主旨」をまとめあげることが重要です。

 

2.ハンコがおされる状態をクリアにする。

決済ルートやタイミング、そして決定に関与する全ての登場人物を掌
握することが大切です。

それぞれの登場人物は、何に着目するのか? 購入決定の責任範囲
は? 購入決定後に、業務上どのような影響があるのか? を想定し
て、受注確度をあげる要素や失注要因を排除する要素をクリアにして
いくことが重要です。

 

 

3.購買決定や受注後に関与するであろう人物に接点を持つ。

決済者に直接アプローチできる「場づくり」に精を出す事も大切です
が、それ以外に「当社の商品を購入した際、だれが使い、だれが管理
するのか?」を聞き出して、実際に会って話をさせてもらう機会をつ
くることが大切です。

提案の主旨を補強する思わぬ提案材料が引き出せたり、関係づくりの
過程で信頼感が醸成されたりします。

また、関与者が多くなり、その関与者から「あの会社は信頼できる」
という印象を与えられれば、担当者も決済者も、勝手な決済は心理的
に出来にくくなります。

 

4.総攻撃態勢を整備する。

提案すべき材料が固まったら、提案書などの「紙」に落とし込むのは
アタリマエですが…

決済は、商談の場ではなく、会議室で決まる! という大前提を意識
して、顧客接点のすべてに気を配ることが大事です。

とくに決済者との接触が少ない又は出来ない場合など、選定過程で
我々の会社のホームページを見に来る可能性もあります。

そのときに、提案内容とホームページのメッセージが密接にリンクし
ていなかったら…インパクトは薄れ、魅力が低減してしまいます。

見込客が、受注決定に際して、どのような行動を取るのか?

その行動に対して、我が社はどう見られるのか?

考えうることを全て列挙し、体制固めをすることが重要です。

 

5.コンペティターを排除する。

商談において、競合商品の悪口は言わない方がよい。

この常識を鵜呑みにして、競合を意識しない人があまりにも多い事に驚かされま
す。正々堂々と勝負をするのは、アタリマエですが、それと競合を意識しないのは、
まったく別です。

相手に出来ないことで、当社が出来ること。

それをクリアにして、1の「経営的な効用」に紐づけて、主な提案のポイントに掲げることで、競合の悪口をいわずに競合を排除するくらいの知略を働かせなくてなりません。

 

 

 

 

大型商談は、目先の売上・利益のためだけではなく、その受注実績が社内外に与える影響力は甚大です。

 

 

波及営業においても、インパクトユーザーの導入実績をベースにして、横展開を図る重要性を説いていますが、1社の大型受注の実績で芋づる式に商談を獲得できた例など、ゴマンと存在しています。

 

 

いかに目の前の大型商談を確実に射止めるか。

これは社運をも変える重要な取り組みとなります。

 

 

御社では、大型商談を、総力戦として「受注確度」を高める努力をしていますでしょうか?

それとも、営業マン個人に任せきりにさせていますでしょうか?

 

 

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