第254話 新規事業に本腰が入らない原因を打破する!

2017.4.4

 

 

 

「インターネットの到来によって、流通はどう変わるのでしょうね」

 

先日、流通専門のコンサルタント仲間と一献傾けた際の「酒の肴」。

酒を交わしながらのビジネスの話ほど、楽しい時間はありません。

 

短期的に見ても中長期的に見ても、BtoCの市場においては、これから「ネットによる購買」が主流になるのは、間違いありません。

「本質を見抜く“考え方”」(サンマーク出版 著 中西輝政氏)という私の愛読書には、筋道だった予測ができる方法の一つに「慣性の法則」というものが紹介されています。

 

その考え方を適用すれば、くっきりとした未来の輪郭が見えてきます。

 

PC(パソコン)によるネット社会からスマホ、AI、自動運転自動車、ロボットなどなど…ネット社会が進展する中、「ネットによる購買」は100%拡大していきます。

 

ネットに接続できるデバイスがPCだけなら、横ばいや縮小の可能性も考えられますが、デバイスが多様化する中では、拡大しかありえないと予測することが出来るからです。

 

慣性の法則とは、平たく言うと、物体はある質量をもって動き出したら、それ相応の力がなければ、止まらないというものですから、まさにこれが当てはまります。

 

最大手の流通大手イオンが53億円の営業赤字に陥り、高収益企業の鏡として崇められたセブン&アイホールディングスも、昨年末に大幅な業績下方修正を発表するなど、厳しい状態に陥っています。

 

長者番付、日本人1位の柳井社長率いるユニクロでさえ、昨年と今年で800店舗中、50店舗の閉鎖を決めている状況。

 

リアルな買物から、ネットの買物へと着実にシェアを奪っていくのは、間違いのない未来です。

 

専門分野ではないので、流通業のあり方を論じるのは避けますが、一般的に業界寿命が近づいてきた際には、利益のあるうちに新規事業を仕込むのは、事業運営の原理原則です。

 

でも、なかなか新規事業には手をつけれない。

 

表面的な課題は、ヒトカネ

内面的な課題は、楽観主義バイアスが働くためです。

 

表面的な課題のヒトの問題は、特に中小企業の場合だと、人手不足感が慢性化しています。

それでも外注比率を増やしたり、ムダな作業を減らせば、時間なんて幾らでも生み出すことが出来るはずです。

時間を生み出すのも、知恵次第です。

 

また、カネの問題は、まず「既存事業から生み出す!」という発想を外してはなりません。

 

既存事業にしがみつく…という姿勢を奨励しているわけではありません。

そうではなく、新規事業のために、既存事業から原資を稼ぐ!という攻めの姿勢で、既存事業を捉え直す…

こうすれば、既存事業をも同時に強くすることが出来ますから、一石二鳥です。
流通業を見渡せば、まだまだ打ち手は山ほどあると感じます。

 

先日、スーパーやコンビニで売っている「袋の千切りキャベツ」は1週間経っても腐らない…という話を聞きました。

普通手で切ったキャベツなどは、2日もすれば茶色く変色するとのこと。

どうやらキャベツを千切りしたあとに、変色防止や防腐剤の薬品に浸しているようです。

 

こういった事実は、多くの消費者にとって「知っている情報」のようなので、

であれば、「今日中にお召し上がり下さい!本日当店で切ったばかりのキャベツです!」と謳いだせば、薬漬けになったキャベツに嫌悪感を抱いている消費者からは歓迎されるはずです。

 

また、顆粒状の「ほんだし」ではなく、かつおぶしの出汁パックも売れているとのことですが、これだって「タイムセービング(時間の節約)」という観点から家事を想像すれば、「店内で丁寧に取ったお出汁です」と商品があれば、売れる可能性は大です。

 

このようなアプローチであれば、大掛かりな投資をすること無く「PB(?)」が出来ますし、流通の課題である「低利益率」を克服し、既存事業からカネを生み出すことができます。

 

また、内面的な課題である「楽観主義バイアス」は、業界が縮小均衡する中では最も怖い経営者心理になります。

 

人間心理の多数として、将来の見通しを「このままで大丈夫」と過大評価する一方、悪い可能性やリスクは過小評価する傾向があります。

事業は「ゼロ」にはならない…と、希望を抱き「ガンガン広告を打てば大丈夫だろう!」と明るい希望を抱く一方、業界縮小による収益率の低下や資金繰りの悪化には、目を伏せてしまう。

 

最近の「格安旅行会社の倒産」は、まさにこの典型例です。

 

いま「市場」では何が起きているのか?

 

この根本的な問いに「楽観主義バイアス」に陥ることなく、冷静に正しく現状を受け入れ、業容拡大のプロセスを鮮明にイメージし、優先順位をつけて取り組めば、泥舟に乗る事無く、活路は見出せます。

 

これは流通だけの話ではなく、製造業にも深く通ずる原理原則。

 

御社が参入している業界の見通しは、明るいですか?

 

 

 

 

 

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