とことん「本質追求」コラム第411話 コロナ不況の構造を紐解く

 

 

 

「本当に世の末のような空気感が漂ってきましたね。藤冨さんの見通しを聞かせて欲しいです。」

 

先日会食をご一緒した社長から世間話の延長線上でご質問を受けました。

 

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は43日の会見で、IMFの歴史のなかで「これほどまでに世界経済が行き詰まるのは見たことがない」と述べ、「ほかに類を見ない危機だ」と強調しています。(日経新聞引用)

 

さらに、人の移動制限や生産停止で経済活動が停滞しており、すでに90カ国以上からIMFに融資の支援要請があったと明らかにしているほど、予測不可能な経済的な打撃が懸念されています。

 

正直言って、どこまで、どのような影響が出るかは私にも皆目見当がつきません。

 

しかし、最悪を想定して、最善を尽くすのが、いまリーダーに求められていることは間違いありません。

「まだ起きてもいない事柄について、マイナスの思考をするのは完全に間違っている」という主張もありますが、この論調は「マイナス思考」が前提となっています。

 

リーダーが持つべき正しい人生態度は、「もしもこうなったら…」という未来を予想し、その中でたくましく生きるためにどのようにポジティブな思考を持つかというものではないでしょうか?

 

私はそう信じて疑いません。

 

なので、まず「現状を正しく認識すること」が大事だと思います。

経済危機が深刻化した場合の影響をしっかりと評価しないことには、正しい対策が見出せないのですから当然です。

 

持論の展開にはなりますが、私なりの現状認識を整理しておきます。

 

 

まず、結論から言います。

世界はリセットされる可能性が高いです。

 

前々から、この「とことん本質追求コラム」でもお伝えした通り、「貨幣(紙幣からデジタル)」「労働(成果主義への追求)」といった私たちの身近な生活環境から、「世界全体の貿易環境」まで、これまでの常識とは、真逆の方向に行くことが想定されます。

その意味で「リセット」という表現を使っています。

 

京都大学の名誉教授、中西輝政先生も、本質を見抜くために「ある現象や問題」を「ある原理」に当てはめて思考することの大切さを推奨しています。

そして、中西先生はその原理を3通り提示しています。

 

  1. 動あれば反動あり。
  2. 慣性の法則。
  3. 鹿威し。

 

この3つの原理です。

簡単に解説しましょう。

1.動あれば反動ありは、今回のコロナ騒動のように、各国政府が渡航禁止などの強制的制限をかけることを支持する人がたくさんいる一方、グローバリズムの危機だ!と警鐘を鳴らす有識者が共存しているケースを言います。

どちらも正論を吐いており、どちらが正しいかは各人の選択に委ねられています。

個人的には、マジョリティ(多数派)よりもマイノリティ(少数派)の意見もしっかりと聞くべきだと思っていますので、新聞紙上が「コロナの危険性」を騒げば騒ぐほど、真逆の視点をもつ「専門家」の意見を探すことが大事だということです。

 

 

すると、次の法則のどちらか?が見えてくるはずです。

(これは中西先生の教えに藤冨の活用法を重ね合わせています。先生の3つの原理を横並びに紹介しているだけですので、あらかじめご了承ください)

 

2.慣性の法則

ニュートンの運動法則のひとつで「静止または、等速直線運動している物体は、外部から力を受けないかぎり、その状態を変えない」というセオリーです。

例えば、パソコンが登場し、インターネットが普及し、ビッグデータが出来上がると、そのビッグデータを解析したい!という欲求が生まれますから、必然的に「AI」の登場が市場から求められるようになります。

この流れは、よほどの圧力がない限り「これからはAIの時代だ!」と流れを読むことができるわけです。これが慣性の法則です。

 

3.鹿威しの法則

金融緩和によって、お金が大量に市中に出回ると、そのお金を使って投資活動が盛んに行われるようになります。

企業の設備投資や研究開発だけでなく、株式や不動産投資も積極的に使われるようになります。

すると、株式や不動産の価値が上がっていきますが、あまりに過熱になりすぎると「やばい!」と中央銀行は「金利を上昇」させます。

金利を上昇させると、市中にはお金が出回らなくなります。

すると、それに危機感を抱いた投資家や銀行は、現金回収に走り始めます。

これが加速度的に「右ならえ!」となり、収拾がつかなくなり崩壊したのが、30年前に起きた「バブル崩壊」の本質的な構造です。

 

本質を見抜くためのロジックを中西先生に学びながら、話を元に戻すと、いま世界でこの「鹿威し」が始まったと見ることができます。

 

コロナは、単なるトリガーに過ぎないわけです。

だから、恐怖を煽りまくる現象面(コロナ)に踊らされることなく、お金の流れ、構造的歪みなどの本質的部分に着眼しておくことで「正しい現状認識」ができるのでは!と私は感じ、皆様にも紹介しているのです。

 

 

国際決済銀行(BIS)によると、世界(非金融部門全体)の借金つまり債務残高は過去最高約2京円に達したと発表されました。

世界のGDP…ものすごく平たくいうと「稼ぎ」が約900兆円と言われていますから、2.2倍もの負債を抱えていることになります。

 

日本のバブル崩壊時は、この値が2.3倍で臨界点を迎えました。

 

世界全体が、対GDP比で債務残高は2倍を越したタイミングでの「コロナ騒動」。

 

日本のバブル崩壊は、金利引き上げ(金融引き締め)が起因となりましたが、世界的に多くの国では政治家が『自分たちのせいで景気停滞になった!』とは思われたくないために、膨大な債務になっても金融緩和に舵を取ってきました。

 

政治家が、選挙に勝つために、国民の人気を損なうような言動をせず、あたかも「自分たちではどうしようもなかった」という「別の原因」に乗っかりたい!と思うのは、過去の歴史を見れば明らかになっています。

 

世界各国が推し進めている「ロックダウン」

そして、国民が窮地に追い込まれるなか、過剰債務を抱えた政府が、援助の手を差し伸べる膨大な支援。

 

お金がないのに、お金のバラマキ…。

 

非常に嫌な構図です。

 

何がどのようにリセットをされるのか?

次回のコラムでは、憶測も踏まえて藤冨自身も整理していきたいと思います。

 

皆様は、現状をどのように認識していますか?