とことん「本質追求」コラム第29話 業界を砂漠化させるイノベーション

10月の上旬でしょうか・・・

iPhoneのOSがバージョンアップしたので、早速インストールしてみた所、地図が「Google」から「アップル独自のマップ」に変わり、とても不便になりました。

初めての企業に訪問する時は、Googleカレンダーに登録したスケジュールから地図をワンクリックで起動して、カーナビのように誘導してもらっていたのですが・・・

突如その機能が使えなったのです。

しかも地図が荒い。 

地下鉄の出口は表示されていないし、目印となる大きな建物の名称も載っていない事も。

まったく使い物にならない状況で「こんな事ならバージョンアップしなきゃ良かった・・」と後悔していたのですが、これは多くの人が感じている事だったようです。 

週刊ダイヤモンド表紙今日、キヨスクの前を通りかかると「週刊ダイヤモンド」の「カネを生む地図」というタイトルが目に飛び込んできました。

早速購入して読んでみたら、アップルのCEOティム・クック氏が異例の謝罪メッセージを発表したほど、地図の悪評は大問題になっていたようです。 

アップルがそこまで事業化を急いだ理由は
「地図」の持つビジネスの可能性に着眼したからですが、同誌を読むと、確かに地図の可能性は半端じゃありません。 

様々なビジネスが地図ビジネスに飲み込まれる可能性すら感じてしまいました。 

ココからは、あくまでも私の個人的な見方ですが・・・ 

近い将来Googleはクレジット会社を買収してくるかも知れません。

と言うのも、クレジット会社は、設置店舗からの手数料収入で成り立っているビジネスモデルです。

店舗側としては、なるべくならクレジットではなく現金でもらいたいが、利用者の購買行動を考えるとクレジット決済を導入せざるを得ません。

以前、すごくナンセンスな張り紙を見たことがあるのですが、「2万円以上でないとクレジットはご遠慮ください。
と”入口”に書いてある寿司屋さんを見たことがあります。

新規顧客の獲得が非常に厳しい時代に数百円の手数料を渋っているとは・・・と経営感覚を疑いましたが、それだけ手数料が重たいと感じているのでしょう。

しかし、Googleなどの地図提供会社なら、利用者からも、お店からも、手数料を無料に出来る可能性を秘めています。

そんな事をされたらクレジット会社は、冷や汗ものですが・・・ 

彼らの収入源が「広告」と考えれば、充分に考えられます。 

爆発的なスピードで普及しているスマホがターゲットですが、GPSでの「移動履歴」とクレジットの「購買履歴」、さらにサイトの「閲覧履歴」などのデータベースを統合すれば、個人の趣味嗜好が極めて正確に把握できます。

アマゾンの「この本を買った人は、この本も買っている・・・」というレコメンド機能をはるかに上回る精度で、個人の趣味嗜好、興味関心が浮き彫りになります。 

そのデータベースを元に、街中を歩いているとき、サイトを閲覧しているとき、メールを受信したときに、最適な広告メッセージを出せれば、広告出稿側も高い反応率が期待できます。

反応率があがれば、当然ながら「広告費」は高騰します。 

Googleは、現状でも広告費だけで年間3兆円程度の売上規模を誇ります。 

クレジット業界の世界規模はわかりませんが、日本国内に限っては市場全体で2兆円程度。 

かなりの高い確率で業界を砂漠化させてしまうほどの勢いでイノベーションを起こすことが出来ます。 

しかし、Googleカードが、もし実現したら・・・ 
私たちの消費行動が極めて矮小化される可能性があります。

自らイノベーションを起こす度胸とアタマと努力をしないと、操り人形になってしまう・・・とても恐ろしい世界になりそうです。