とことん「本質追求」コラム第84話 次なる事業を育てるには「変態」が必要

「そのアイディア面白いけど、ウチの人員ではムリですよ…」

コンサルティング現場で、新しい事業を立ち上げるときに、ときどぎ出くわす思考停止状態のリアクション。

「人材がいない」「物理的に不可能だ」「資金がない」「既存の生産設備ではムリ」…

いくらでも、新しい芽を摘む材料はありますが、そのような姿勢では、いつまで経っても「会社に新しい風」を吹かせる事なんて出来ません。

斜陽産業や成熟市場の事業であれば、尚更です。 
イノベーションを起こし、新しいステージに飛び出ない限り、10年後の未来がないことは誰だって分かっていることです。

でも、思考停止になる。

なぜでしょうか? 
そんなに新しい事にチャレンジするのが怖いのでしょうか? 
私にとっては、よほど「ぬるま湯のゆでカエル」の方が恐怖を覚えます。

そもそも、私がプロジェクトで発するアイディアは、その企業が「有利な戦い」が出来る状態をイメージして発想しています。

事業が成り立っている「構成要素」を分解して、どの機能を抽出すれば、時代的に、顧客心理的に、面白いか…と脳みそをかき回しています。

できるか否かではなく、事業として成り立つか否かを考えているので、一瞬にして思考停止をされてしまったら、せっかくの事業アイディアが揉まれないまま、死してしまう。

これは甚大なるチャンスロスです。

アイディアはスグに殺さずに、思いつきのアイディアをどうやったら事業化できるアイディアに昇華させられるか… 
と、深堀りしていくことが大事なのです。

具体的には、ディテールを詰めて行く作業のなかで、事業化できるかできないか…が、浮き彫りになっていきます。

  • 市場規模は? 
  • 競合企業はどこ? それは直接競合それとも間接競合? 
  • 優位性は発揮できる? 
  • その優位性をどの様に市場に認知させる?

パーケージは? 
ネーミングは? 
価格の打ち出し方は? 
商品説明の切り口は? 
販路は? 
営業プロセスの設計は?

顧客が商品やサービスに”接触した瞬間”から逆計算して、緻密にプランを組み立ていくうちに、大きな事業に育つのか。はたまた小さく纏まる魅力のない事業なのか…が、次第にハッキリとしてきます。

大きな事業に育つ! 
と直感が走れば、あとは『どう実現するか?』を考える。

大きく育つ!となれば、投資だって検討しますし、体制変更も思い切ってやってみよう…となるものです。

最初から出来るか出来ないかを考えてしまっては、絶対にイノベーションなんて起こせないです。

イノベーションが起きなければ、今までの殻の中で生きるしかありません。

サナギが殻を破り、蝶のように羽ばたくには「脱皮」が必要です。

この幼虫から成体に進化する過程を『変態』と言いますが、これは人間の精神的成長にも欠かせない概念と言われています。 
それと同じで、斜陽産業や成熟市場からの脱出は『変態』という概念がとてもなのです。

脱出するには、もがき苦しむ場面もあるでしょう。 
しかし、この過程なくして新しい事業が日の目をみることはありません。

明日はお正月です。 
年明け早々、5年後、10年後の未来に向けて我が社を作り直す計画をたてる際、どうやったら「変態」できるか…と、逆から考えてみるのも面白いかも知れません。

それでは、良いお年をお迎え下さい。

2014年度が皆さまにとって、最高な年になりますように!