「当初は医療機関向けに作った新商品なのですが、蓋を開けて見たらホテル業界から引き合いが強かったです。展示会に出展したら、あの有名ホテルにも採用されて…。波及営業でさらに広げたいのですが、お手伝いいただけますか?」
先日、コラムの読者さんからご相談を頂いた内容です。
波及営業法のキモとなる「インパクトユーザー」を獲得しているのですから、もう8割方「拡販戦略」は成功していると思って、間違いありません。
しかし、残り2割を「惰性運転」で、社長の思うスピード感で売上を伸ばせるか…というと、そう簡単には行かないのが現実です。
残り2割で、様々な試行錯誤が始まるためです。
その試行錯誤の精度をどれだけ高めるか、これが売上向上のスピード感を早めていきます。
まず、大切なことは「定めた売上目標に対して、進むべき道のりをクリアに描くこと」がポイントとなります。
例えば、ホームパーティーで沢山の料理を短時間に提供するために、大事なことは「仕込みの手順と内容」ですが、それには「構想力」を最大限に働かせなくてはいけません。
・テーブルにどのように料理が飾られていくか…
・熱いものは熱く、冷たいものは冷たく食べてもらうためには、どのような順番で作っていくか…
・それぞれの料理が出来上がる時間はどの程度か…
・手際よく作るためには、どこまで「仕込み」をしておくか…
このように「ゴール」から逆算して、今このタイミングで「何をやるべきか」を構想することで、手際よく複数の料理をテーブルに並べることができます。
営業戦略も全く同じです。
ゴール(売上目標)から逆算して、どのタイミングで何をすべきか。どのような手順で進めていくとスムーズに目標が達成しやすいだろうか…を構想していきます。
料理との違いは、相手の存在があるので、思うようにいかない時が出てくることです。
・ホームページに集客する広告から成果が得られない
・DMを送付したが、反応がない
・商談しても、契約が取れない
などなど、ゴールに向かうマイルストーンで想定通りにいかないことが出てきます。
藤冨の場合、これを「市場との対話が出来ていない」と判断し、どうすれば伝わるのか?に全神経を集中させていきます。
2週間前より「強みを表現する重要性」をたまたまお伝えしていましたが、市場との対話が出来ていない時の原因は、ほぼ「強みの履き違い」または「適切でない表現」のどちらかになります。
- 誰のための何のための商品なのか…
これが、クリアに表現されているか?
- 何のための商品か…
これが、本当にターゲットにとって魅力的な切り口なのか?
- 今、それを言われて欲求が刺激されるのか…
ターゲットを取り巻く環境(時代)が、その商品の必要性を重んじているのか?
- あなたの会社を選ぶ必然性があるのか…
他の会社から買うのと何が違うのか?
- 購入の意思決定をする際、合理的な判断に基づいているだろうか…
私(買い手)にとって、その価値を得るための対価(価格)は適切だろうか?
上述のように、顧客がその商品と接触し、購入に至るプロセスの中で、顧客の購買心理プロセスを解読し、当社商品を購入する必然性を作り出す必要があります。
購入する必然性が市場に伝え切れていない…
つまり、市場との対話に「デスコミュニケーション(コミュニケーションの機能不全)」が生じていると、思うように売上が伸びません。
どこのタイミングでどのようなデスコミュニケーションが生じているのか…
ここをクリアにすることで「最速で売上目標の達成」に近づくことができるようになります。
冒頭のご相談で「たまたま有名ホテルの採用が決まった」と段階で、8割方成功していると書きましたが、それでも上述のような試行錯誤はまだまだ続きます。
なのに、何故8割方を仕事が終わったのか、と言えるのか?
それは、その商品が目利きによる顧客から「何かしらの理由で採用された」という揺るぎない現実があるためです。
そこを深掘りして、顧客目線の言葉に置き換えることで、市場との対話がスムーズにいくようになります。
深掘りする目的は、表面上の問題を解決することで、顧客は何かしらの本質的なメリットを感じているためです。
これは、顧客に根掘り葉掘り聞き出さないと、顕在化しません。
だからこそ、藤冨のコンサルティング中では、クライアント企業の顧客の声に注意深く耳を傾けることに重きを置いているのです。
・何故、それを求めているのか
・それを求めた背景は何か
・求めたものが実現したら、どのように変わったのか
・本質的な効果や満足は何か
この「答え」が次なるセールスの強いパンチ力になっていきます。
ホームページでそれを表現したり、チラシで的確に伝えることで、潜在顧客の注意・関心を得て、見込客にすることが出来ます。
営業マンが、自社商品を購入するメリットを顧客目線で伝え、実例を紹介することで、欲求を刺激することができます。
結果、全体のコンバージョン率(※)を向上させることができます。
御社は、営業戦略の最適化を意識していますか?
時は金なり。
結果の出る営業戦略の構築は、着実に企業にキャッシュを残し、次なる成長の原資となります。
御社は、営業戦略の最適化を意識していますか?
より、学びを深めたい方は、ぜひ11月19日のセミナーにお越しください。
損はさせません。
※コンバージョン率
ここでは、潜在客→見込客→顧客への転換率を解釈してください。