とことん「本質追求」コラム第134話 売上を頭打ちにしている原因は何か?

「ウチの営業は皆頑張っているのですけどね…イマイチ業績が伸びないですよ」

 

私のセミナーには「社運をかけた新規事業を立ち上げたい!」という方が大半を占めていますが、ここ最近は冒頭のご質問のような既存事業の活性化を求めてこられる方も多くなってきました。

 

セミナーにご参加され、「波及営業」を自社に取り入れてみたいけど、実際どのような方向性が描けるのか…。

そういったモヤモヤ感を解消するために、「導入診断」ならぬ可能性を見いだす打ち合わせをご希望者の方々には後日ご訪問させて頂くことにしています。

 

と言うのも、営業と一口に言っても、商品によって適切な営業手法が異なるので、どうしてもモヤモヤ感が残るのは致し方のないことだからです。

 

・購買決定に関与する人達が多い場合と、個人の意思決定で受注が決まる商品。

・商品ライフサイクルの導入期にある商品と、成熟期にある商品。

・感情的な要素が意思決定に影響を与える商品と論理的な組み立てによって採用価値が明確になり意思決定がなされる商品。

 

など、商品によっては、営業ノウハウが180度異なるケースもあるほどです。

 

しかし、どのような商品であれ共通した売上向上策が存在します。

 

一言でいうと「商談回数の削減策を実行する」とことに意識をすれば良いのです。
そもそも「見込客」いうのは、必要悪な存在です。

一見、見込客が多い方が「営業活動」をしているようにも見えますが、現実はムダな営業コストが発生しているのです。

 

営業マンのムダな活動による「人件費の向上」

不必要な「旅費交通費の増加」

関連部署との余計な「通信費の増加」

など、現実的な「費用の増加」が、見込客の根っこにしがみついています。

しかし、費用の増加が本質的な問題ではありません。

 

売上増加に多大な「制約」を作ってしまっているのが、もっとも着目すべき悪の根源なのです。

 

これは、以前ご紹介した「営業戦略の立て方 – まずはどこに焦点を当てるか?」の「顧客の状態管理」のところで、お伝えしましたが営業活動は全体最適する必要性があるのです。

 

全体的に俯瞰した上で、どの営業活動のところに売上のボトルネックがあるのかを明確にし、それを外していかなくてはなりません。

 

ボトルネックとは、成果を出すプロセスの中で「糞詰まり」を起こしている個所です。

 

このボトルネックは、大抵のケースでは「潜在客」から「見込客」に移動させる活動にあたるのですが…なぜ「見込客の存在…つまり商談回数の増加」が、ボトルネックをつくり出すのか…。

 

それは、営業マンのメンタルに強く関係しています。

 

そもそも、営業活動で最も難しいのは「潜在客」から「見込客」へと状態を変化させる活動です。

様々な業界のお手伝いをしていますが、多くの営業マンがココに苦手意識を持っています。

 

苦手意識があるがゆえに、意識的、無意識的に関わらず、なるべく避けようとします。

新しい見込客が手元に入ってくるチャンスが見えなければ、知らず知らずのうちに、今の見込客を大事にしようとします。

しかし、大事したからと言ってクロージングに結びつく保証はありません。

 

実際は、逆です。

商品の性質にもよりますが、大多数の商談では回数を減らした方が受注確度は高まります。

 

大型商談などは、あまりお客様をせっつかず「相手に問題意識を醸成させるプロセス」が大事になるのですが、これも質問ロジックをしっかりすることで訪問回数を減らすことが出来ます。

 

商談が長引けば長引くほど、様々な情報が入り込み失注リスクが高まるのは、営業マンなら誰でも経験しているハズです。

 

それなのに…です。

それなのに、「見込客」が手元になくなる恐怖に耐えられずに商談回数を伸ばして仕事を抱え込んでいたくなる心境に陥るのです。

 

これは、私自身もサラリーマンの時に経験した「感情」です。

営業マンも中堅クラスになってくると、問い合わせなど美味しい商談が任されるようになります。新規を追っかける暇がなくなり、「見込客」を刈り取る仕事に忙殺されています。

ところが、ふとした隙に「見込客」がいなくなる瞬間があります。

それでも「潜在客」から「見込客」を発掘するのは、おっくうになり、既存顧客の追加購買を促したり、商談を温めようとしたりするのです。

 

意図的にサボっている訳ではありませんし、計算して訪問回数を増やしているわけではありません。

しかし、無意識の世界で「おっくうな仕事は回避したい…」という心理的な働きが行動へと移ってしまうのです。

 

こうして「非生産的な活動」のタテにして「本来やるべき生産的活動」にフタをしているのです。

 

これは組織にとっては、最も着目すべきポイントです。

 

見込客との商談回数が減らせれば、受注効率は上がっていきます。

受注効率があがれば、営業マンに新規未顧客をより多くの件数をながせます。

 

問題は、この新規見込客を創出が難しいことです。

 

今までは、この新規見込客の創出は、営業マンに任せていたりしていました。

 

または、ホームページから集客とか、ダイレクトメールとか、広告活動とか、パブリシティー活動などの営業支援は「営業推進部」や「営業企画」に任せている組織もあるでしょう。

 

しかし、ここがとても曖昧になっているケースが散見されます。

 

「目に見える見込客と受注活動」だけに焦点があたり、営業活動で最も重要な見込客の創出目標が数値化されていなかったり、その具体的な方法が場当たり的だったりするのです。

 

受注活動を「契約時点」だけで捉えず、潜在客から見込客をつくり出すプロセスも評価対象にしたり、制度を高めるためのPDCAの導入を促すなど、最大のボトルネックを外すことに意識を向けると、必然的に「商談回数」も減っていくものです。

 

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