第210話 御社の命運を定める「企業メッセージ」とは。

2016.5.31

 

「何か、コピーライターもなった気分ですね」

 

 

とある新規事業のプロジェクト会議でDMを作っていたときに、社長さんがポツリと言った一言。

 

一発目のDMは、一般的なDM反応率の30倍以上の効果を叩き出したので、二段目の作戦は、さらに慎重かつ大胆に攻めようと「絶対成功」を目指して、様々なアイディアを集結させていました。

 

それこそ、たった一行の投げ掛け(コピー)にも下手をする30分も、40分も費やします。

いえ、プロジェクト会議終了後も考え続けるので、1つのテーマに何日間、何週間、ときには数ヶ月間に至るまで頭から離れないことなど、日常茶飯事のこと。

 

なぜ、そんなにディテール(全体の中の細かい部分)を大切しているのか?

 

それは、目先の結果を出す為でもありますが、一つの言葉が、ブランド力と密接に結びついていると確信しているからこそ、軽視しがちな細かいことにも深く・深く思考することが大切だと考えているからです。

 

たった1行のコピーで封筒を開けてくれる人が仮に1%でも増えたなら…

1000通のDMで10人の人達が、資料を読み込み「商品やサービス」を購入してくれることに繋がります。

1万通なら100人。10万通なら1000人にも増えていきます。

 

ホームページで表現する言葉も同じです。

自社のサイトに何分間滞在したか? という統計が簡単に見られるのですが、大多数のホームページは、8〜9割もの人達が10秒以内に出ていってしまっています。

 

つまり、ちゃんと読み込むサイトと、読む価値がないと判断されるのは、10秒以内に判断され1〜2割の人達にしか、説明が出来ていない…という現実があるのです。

 

ターゲット層に響く言葉や世界観をホームページで演出できたら、年間1万人の閲覧者がいれば、かるく100人単位の問合せ数に変化を与えることが出来ます。

 

知って頂かないことには、商品の購入、ひいては売上高の増加には結びつきません。

 

そして、買って頂かないことには、お客様との価値観の共有(ブランド)には結びつきませんから、たった1行のコピーにも手を抜いてはいけないと考えているのです。

 

Appleを死の淵から救い、一時は、時価総額世界NO.1の座に押し上げたスティーブ・ジョブズも「言葉」を大切にしてきた経営者でした。

 

iPhoneを発売したときにつかった「Appleは電話を再発明した」という、インパクトのあるワンメッセージは、その最たるものです。

 

新しい世界観をつくり出してきたAppleが、電話の世界観も変えていきますよ!

というブランド・メッセージです。

 

顧客は、iPhoneを買っているだけでなく、新しい世界観をAppleと共有したいのです。

いままでも、そしてこれからも、刺激的な新しい世界観をつくり出していく―。
そんなイメージの総体を「商品力」と「言葉のチカラ」を融合させてつくり出していました。

 

言葉は、世界観をつくり出せるチカラがある―。

これは、様々な実例を見渡しても、間違いの無い事実です。

 

 

 

ただし、モチは餅屋。

 

 

私はコピーライターではありませんから、「売る言葉」や「販売に結びつくキッカケになる言葉」以外は、考えません。

 

 

言葉のチカラをつかって「販売」に結びつけ、その購買体験から得られる「世界観」や「文化」に繋げていく《言語開発》は出来ると自負していますが、プロのコピーライターのように「ブーム」をつくる事はできません。

 

また、私だけがコピーを考えてアウトプットしたものを押し付けることがないようにも注意しています。

 

プロジェクト会議で共に考え、商品がつくり出された背景や、商品そのものが発するメッセージが、適切な言葉として表現されているのか?

ディスカッションで出てきた言葉を皆で磨き上げ、珠玉の言葉に昇華させるプロセスを重視しています。

 

最適な言葉に纏め揚げたメッセージは、市場の心を動かし、商品の販売力に直結しますが、そうでない言葉は、市場から無視されますから、真剣勝負です。

 

オバマ氏が7年前に大統領に就任した際のスピーチは、弱冠28歳の若きスピーチライターがつくり、アメリカ国民の心を鼓舞させました。
その舞台裏を知った時に、多くの人達は驚きを隠せませんでした。

アメリカは、政治もビジネスも「発するメッセージ」を物凄く大事にしていて、必ずプロフェッショナルの目線を入れてきます。

政治家は、国民の心を動かし、ビジネスでは見込客の心を震わせ、ファン(顧客)をつくり出すことが出来ると知っているからです。

 

御社では、自社が発信するメッセージの影響力をじっくりと考えたことはありますでしょうか?

営業マンや広報に任せきりではなく、自社の命運を分ける社外に発するメッセージに、しっかりと《時間》と《コスト》を投資してきましたでしょうか?

 

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