第214話 アイディアを売上に転嫁できない組織的課題の克服法

2016.6.28

 

「ウチの会社は、色々とアイディアは出るのですが、全くカタチ(プロジェクト)になりません。何がいけないのか、今度ミーティングに入ってもらえませんか?」

以前、セミナーに出席された社長さんが、拙著「営業を設計する技術」をベースに社内勉強会を開いてくれているそうです。
しかし新規事業の創出を1年以上も試みているものの、なかなか上手く進んでいないと、ご不満のご様子。

営業部長を当社のセミナーに送り出してもくれたのですが、どうも営業の立場から製造にモノを申すと、否定的意見ばかりで進まないともおっしゃっていました。

なるほど……確かに他社さんでも同じような話を聞きますし、どの会社でも似たり寄ったりの人間関係の課題が横たわっていたりしています。

いわゆる「セクショナリズム」という問題です。

各部署が互いに協力し合うことなく、自分たちの権限や利害にこだわり、他部署から干渉を排除しようとする「排他的意識」が働いている状態。

これは「新しいことを組織的に成功させる」上で、とても厄介なテーマです。

が、組織論的アプローチではなく、「新規事業の創出」という実務を通して、このセクショナリズムが崩れていった経験を幾度か体験したことがあります。

はい、1回だけ上手くいった…という経験ではありません。
これまでの成功プロジェクトを俯瞰(ふかん)すると、同じ「構造」が間違いなく働いていることに気づかされたのです。

その構造とは…大きくわけて2つのテーマで成り立っています。

1つ目が、製造も営業も一括りにした「あるべき姿(戦略方針)」の設定です。

そもそもセクショナリズムの根本原因は「自己承認」や「評価」の不安と期待の葛藤から発生している…と見る事ができます。
平たく言うと、「俺たちの仕事があるから、この会社は成り立っている。上司よ、ちゃんと見て下さいよ」という感じです。
なのに、他部署の人間も同じように思っている訳です。対立が生まれても不思議ではありません。

これをぶち壊すには、まず、自分達が保守的な思考に陥っているとちゃんと理解させる必要があります。
そのためには、保守的な思考を否定するのではなく、保守性を保つ危険性を認識させることが肝心です。
成長をやめれば、間違いなく自分達の給与も役割も矮小化する。
成長するには、あるべき姿の達成が不可欠であること。

「北風と太陽」のように、保守性を無理やりはぎ取るのではなく、保守性を脱ぎ捨てる必要性があることを「理解化」させる環境が必要になっていきます。

あるべき姿を達成するには、営業も新しいチャレンジが必要。製造も新しいチャレンジが必要。
具体的には……と詰めていくことが大事です。

あるべき姿を達成していく具体的な過程で、自分達の役割が「見える化」できていれば、保守性は削ぎ落としやすくなっていくからです。

2つ目が、良い発想があったら、構想に落とし込むことです。
上記の「具体的に詰めていくこと…」に繋がるのですが、アイディア倒れになるケースは、現実では意外にも多いものです。

その原因を一言でいうと、目的達成までの具体的手順がイメージできていないからです。

ダイヤの原石を見つけ出し、その原石をどう磨けば光輝くのか。
磨いたダイヤモンドを一番高く売るには、ネックレスにすべきか、それとも指輪にすべきか…。
指輪だったら、一番売れるチャネル(市場)は、どこなのか?
その売場では、どのようなメッセージを発信して顧客を惹き付け、購入にまで至らせるのか…。

などなどの「構想力」が秀逸に組立てられたときに、事業が2倍にも、3倍にも成長していきました。

発想力(アイディア)だけではダメなのです。
構想力を発揮しなければ、カタチにはならないのです。

ビジネスを組み立てる構想力。
1円でも高く売り1円でも営業コストをさげる、高収益モデルをつくる構想力。

このとき、発想者は一人であっても、構想力は、プロジェクトメンバーの叡智を集めることが出来ます。

ここを認識してもらうことも大切です。
営業が発想者でもあっても、彼一人の手柄ではなくなるからです。
手柄が一人に集中しなければ、参画意識も芽生えます。

営業の叡智、製造の叡智…
そのバラバラに散らばっているものを拾い上げる過程で参画意識が芽生え、セクショナリズムも自然と和らいでいきます。

仮にセクショナリズムが残ったままでも、これまでの排他的な空気よりはマシ。
仕方なくでも良いので、「カタチ」にするためには、発想を構想に落とし込む重要性を皆が認識することです。

そうすれば、必然的に各自が役割を発揮するチャンスが広がっていきます。

その構想力がないのですよ…
という場合は、ぜひお声がけください。
刺激薬として、藤冨が直接ミーティングに参加します!

御社では、アイディア倒れの企画が、死屍累々と横たわり、何時まで経っても新規事業や販路開拓が進まない…といった現状に陥ってはいませんか?
また、セクショナリズムが働き、組織停滞から脱却だきない…などの問題は起こっていないでしょうか?

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