第215話 変革を実現できないリーダーの3つの特徴

2016.7.5

 

「営業部長の定年退職を期に、営業体制を抜本的に変えたいのです。新リーダーの選出を外部視点で見てもらえないでしょうか?」

 

 

拙著「営業を設計する技術」の読者である社長さんからのご相談です。

 

営業部長に「波及営業を取り入れろ!」と号令を出したものの、現状は全く変わらず…。

5月に実施したセミナーに社長自らがお越しになり、「営業マンのやる気を出すには、やはり抜本的に営業のやり方を見直さなければならない…」そう感じてくださったようです。

 

さっそく会社に訪問し、全営業マンを集めて2時間ほどの簡易セミナーを実施して、感想を聞きながら、自社がどう変われるのか? を話し合うディスカッション・タイムを設けました。

 

新しい営業スタイルに変われるか否かは、業界の常識でもなく、商品の性質でもありません。

 

すべては、推進リーダーの「タイプ」によって決定されます。

 

プロジェクトでは、これまでと違う新しい方針が生まれ、さらに構想を具現化するために、これまでと違う脳みそを使って仕事に取り組まなくてはなりません。

 

「未来」を変えるのですから、「今」を変えるのは当然です。

 

しかし、変れない組織というは、今を変えるのを嫌がる人がリーダーシップを取っているケースが往々にしてあります。

 

ご相談頂いた会社さんは、まさにその典型例。

 

8月末で退職される営業部長さんも、今回のセミナーとディスカッションには、同席されたのですが、まぁ真っ向から否定の嵐。

 

「うちの業界は、藤冨さんが経験してきた業界とは違って特殊なのです」

「うちの商品は、技術の擦り合わせが必要なのです。ポンと行って、ポンと決まる商品じゃないんですよ」

 

聞く耳をもたいない状況ですし、中堅・若手の意見もまったく出ない空気にされてしまったので、失礼ながら黙って頂くことにしました。

 

「では、いま藤冨がお話した事例の業界・商品を部長はご存知なのですね?」と。

 

そして、皆さんの顔を見ながら、こう諭しました。

 

「お客さんは商品を買っているのでありません。自社にとっての“利益”を購入しています。 いま当社が提供している商品は、お客様にとってどのような利益を生み出しているのでしょうか? そこを教えてください。」

 

1分ほど沈黙しましたが、聡明な顔つきの中堅営業マンの方が口火を切りました。

 

「正直言って、よく分かりません。でもおっしゃっていることは分かります。まず、クライアントに訪問して、ウチの商品を使ってどのような“利益が生み出されているのか”を聞いてきたいと思います」

 

すると、若手の皆さんの顔つきがパッと明るくなったのです。

 

改革はこれからですが、リーダーが変れば、間違いなく動く歯車が変ってきます。

 

ダメなリーダーは、間違いなく組織を停滞させます。
その典型例は3つあります。

 

一つ目は「現状維持タイプ」です。

リーダーのタイプを見分ける有効な方法は、難題をぶつけてみることです。

人の性格は、リアクションで読みとれるからです。

難題をぶつけたときに、大きくわけると2つのタイプに分かれます。
一つは、何かとできない言い訳をするタイプ。
もう一つは、どうやるか?を考え出すタイプです。

言い訳するタイプは、なんだかんだ言って変りたくないのです。

社長が「変るぞ!」と言っているのに、現場リーダーが「変りたくない」のでは、組織が動くはずもありません。

どうやるか?を考える人であれば、コンサルティングをしていても、面白いほどアイディアが生まれます。

現状維持タイプは、即刻リーダーからは降りてもらわないとなりません。

 

 

二つ目は、狭い視野から抜け出せないタイプです。

「失敗の本質」という太平洋戦争における日本軍の組織論的研究成果を纏めてア本があります。

本書を読んでなるほど…と思ったのは、アメリカ軍は「勝つためにルールを変える」が、日本軍は「ルールを守って勝つ努力する」という違いがあることです。

戦略とは、全体を大きく俯瞰して、新しいルールをつくることにあります。

変られない努力ほど空しいものはありません。

勝つ(売る)ためには、何が必要か? 広い視野で俯瞰して自社の事業を捉えていくことが大切です。

 

三つ目は、自己保身タイプです。

「完全なる経営」というマズローの名著に書いてありますが、変革期のリーダーに求められるのは、自己犠牲を厭わないタイプです。

仮に、狭い視野に囚われても、だれかのアドバイスで「それで行こう!」と変わればOKです。でも自己保身タイプは、自分を否定されるような意見は、必ず拒否します。

また、新しいルールに沿った仕事を進めるときには、必ず壁が立ちはだかるものです。このときメンバーを鼓舞しながら、自らが先陣を切る必要がありますが…自己保身タイプには、これが出来ません。

 

 

もし、自社の営業リーダーがこの3つのどれかに当てはまるタイプだったら、もっと適任の部署に移動してもらった方が、組織の為にも、本人の為にも幸せです。

(少なくても3つ適合したら、深刻に考えた方が良いです)

 

御社の営業リーダーは、挑戦的で、広い視野をもち、自己犠牲を厭わないタイプの推進役となっていますでしょうか?

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