とことん「本質追求」コラム第240話 調査するより、売ってみなはれ!

 

 

「新規事業の構想は決まりました。先日のコラムにも指摘がありましたが、私が考えている案は、まさに“自社の強みとなる技術”のシナジー効果は強く意識しています。ただ…商品化には数百万円かかります。慎重に事を運びたいのです。市場調査をしたいと思っていますが、ご相談に乗っていただけますか?」

 

以前、セミナーにご参加いただいた方から、ご相談メールが届きました。

 

新規事業が、市場に受け入れられるか、受け入れられないか…。

ぶっちゃけ、売れるのか、売れないのか?

不安が募るのは、誰でも同じです。

 

とくにご相談いただいた社長さんのように、数百万円の投資がかかるなら、尚更。

不安を取り除くために、安心材料が欲しい…

心情的には理解ができます。

 

ただ、本ケースでも、藤冨持論を申し上げ「調査不要論」をお伝えしました。

 

定量調査を実施すると、サンプル数にもよりますが、それだけでも数百万円かかります。

調査を安くしようと、サンプル数を絞る人もいますが…これも本末転倒。

 

と言うよりは、そもそも出発点が間違っています。

 

調査は、あくまでも調査、タテマエしか聞けません

 

本当かどうか、やってみれば一目瞭然です。

 

「こんな商品があったら欲しいと思いますか?」と聞き、「YES」と回答した人に、商品が出来たら営業に行ってみてください。

 

「他に急な出費があって、予算がなくなっちゃったよ」

「うーん、欲しいけど、価格的に見合わないかな。一桁違えば買えるけど…」

 

 

…様々な理由で断られることが驚くほど多いことに愕然とするはずです。

 

なぜか?

 

当たり前のことではありますが、商品の良し悪しの意見を聞くのと、購入の意思決定を迫るのとでは、心理的圧迫感が大きく違うからです。

 

それが分かっているのに、あいまいで、何ら根拠のない答えを欲しがるのは、己が恐怖に押されていることに他ありません。

 

幻想に溺れるだけであり、極論すれば現実逃避をしているだけです。

 

サラリーマンが、失敗したときの理由づけとして調査をするのなら分かります。

 

しかし、経営者であれば、もっと潔い決断をした方が結果、良い風が吹いてきます。

 

ムダな調査費を使うくらいなら、その費用を販促費に回した方が無難ですし、商品開発に金をもっとつっ込んだ方が、成功確度は上がります。

 

新規事業は、成否を占うよりも、成功するためには何が必要かを考え抜き、必要な投資を惜しみなくすることです。

 

「いや、そうは言っても、この投資は失敗できないのですよ…」という方には、

実際に先に営業を仕掛けてみてください! とお伝えしています。

 

拙著「営業を設計する技術」でも、そうお伝えしています。

 

欲しいか否かを調査するのではなく、半年後に出来る商品を実際に売り込み、先行予約の受注を取りにいくのです。

 

こちらは、営業で「購入」を迫るわけですから、本気です。

 

断り文句も本気ですし、商談中に出る要望も本気です。

 

これこそが、ホンネのホンネを確実に掌握できる調査です。

 

いや…出来てもいない商品を売りに行って、もし作れなかったらどうするんですか?

 

以前、そう言われた社長もいました。

 

受託・下請け的な業種の社長でしたが、そんな不安に駆られるようであれば、メーカーと生きる進路は諦めた方が無難です。

 

根性論に聞こえるかも知れませんが、覚悟なきところに、新規事業の息吹が芽生えるはずもありません。

 

  • 新規事業の構想を提案書なり、サンプルなり、見える化をして、本気で売りに行く。
  • 開発に着手していなくても、開発に着手する寸前まで構想を練り、出来るものだと確信して売りに行く。

 

 

すると、商談中から、真の課題が浮かび上がり、何をすれば成功できるのか…確かな手応えが必ず得られます。

 

 

 

BtoBであれば、想定見込客をリストアップして、2〜3日間集中的に営業すれば、可能性の高低はハッキリと見えてくるはずです。

 

BotCなら、商流を作る目的で、狙ったチャネルのバイヤーに接触するのもありです。

 

 

アイディアが盗まれやしないか…

 

そんな不安を抱くのも、問題外です。

もし、そう思うのなら、倍速で商品化のスピードを速め、いち早く上市をすれば良いだけです。

 

画期的な技術やアイディアであれば、特許や実用新案で参入障壁を作ることも出来ます。

 

いずれにせよ、営業し始めれば、新規事業のスピード感も出てくるし、成功確度もハッキリと見えてくる。

 

やらない手はありません。

 

御社では、新規事業を構想段階で営業し始める勇気と行動力を持ち合わせていますでしょうか?