第258話 見込客を見つけてくる人材募集のあり方

2017.5.2

 

 

 

「営業マンの増員を考えています。でも人が集まらなくって…何かよい募集方法はないでしょうか?」

 

 

先日、会食時に同席されていた社長さんが、人材募集で頭を抱えていました。

伺えば、売上が思うように上がらないので、営業マンを増員して既存メンバーにも刺激を与えたいのだとか…。

 

販売商品も伺うと、これといった特徴がない商品とのこと。

8名いる営業部隊の売上内訳は、リプレースや備品購入が主で、新規開拓による売上は、思い浮かべる範囲では皆無とのことでした。

 

社長も既存の営業メンバーに対し叱咤激励はするものの、口だけは「頑張ります!」と言う割には、まったく成果が出ず。

 

ほとほと困り果てて、人材募集の広告を契約して、営業マンの増員で対処をしようと思った次第だそうです。

 

ただ、営業人員を募集して「新規開拓」を推し進めよう!という発想そのものにリスクを感じたので、率直に申し上げることにしました。

 

「よほどの奇跡が起きない限り…人を入れても新規開拓は出来ません…」と。

 

そう答えた理由は大きく二つあります。

一つ目は、営業経験者を募集していたことです。

二つ目は、どんなに優秀な人材が入っても、朱に染まれば赤くなる…という現実があることです。

 

 

人は困った状態になればなるほど「対処」をしようとする傾向があります。

しかし、この対処で事が上手くいくケースは殆どありません。

 

ましてや、持続的な成果を出すことが目的の場合、まず「対処」では現状を変えることは出来ません。

 

他社で売れていた営業マンを自社にヘッドハンティングしたけど、期待した成果とはほど遠かった…という話は、あちらこちらでよく聞く話です。

 

商品への愛情、前職とは異なる組織の空気感、アプローチする見込客の質…などなど、様々なことが原因で、こうした悲劇に見舞われます。

 

しかし本質的には、自社商品の性質とマーケットの現状、そして採用する人材の能力が定義されていないことが成果に結びつかない一番の原因です。

 

また、働く側の心理状態を読み切れていないことも、悲劇を生み出す主因となります。

 

新規開拓をするぞ!という空気感もエネルギーもない場所で、中途採用者で一人バリバリ働き続けられるメンタルの持ち主は、そうそう存在しません。

ましてや、そんな絶滅危惧種のような人材を採用しよう!なんて、徳川家康の埋蔵金を掘り当てようとするようなものです。

 

そんな「幸せの青い鳥」を探そうとせず、目の前の現実を直視し、最善策を練り上げることが大事です。

 

ちなみに、ご相談いただいた同社の商品は、今日、成果を出す為に、商品カタログをカバンに入れて見込客発掘に駆けずり回る営業マンが取り扱えるような商品ではありませんでした。

 

競争的差別化がされていない商品で、Googleに入力すれば、山ほどの競合商品で溢れかえっています。

 

そうであれば、営業マンよりも、見込客を発掘する能力に長けている販売促進やマーケティング担当者の方を採用した方が、好ましい結果を生み出します。

営業マンは、1対1のマンツーマンによるコミュニケーションには長けていますが、1対nのコミュニケーションには慣れていません。

 

逆に販促やマーケティング経験者は、1対nのコミュニケーションに慣れており、1回のコミュニケーションで複数の見込客を発掘する技術を持ち合わせています。

 

それに、今の時代は、営業マンを募集するよりも、販促やマーケティング担当を応募した方がよほど人は集まりやすい。

 

しかも、新規開拓力を失った既存部隊のなかに、一人中途採用者を入れても、同質化するのは目に見えていますが、全く別の職種の人間を入れるのであれば、既存カラーに染まらずに黙々と仕事をしてくれます。

 

そういった部署がない?

 

それであれば、新規の部署を新設すればよいだけです。

 

逆に、新設部門で応募したほうが、革新的な人材が発掘しやすいものです。

先輩もおらず、前例もないのは、募集内容を見れば一発で分かりますから、指示待ち人間が応募してくることもありません。

 

営業マンを募集するよりも、はるかにアンマッチを起こすリスクが減る訳です。

 

新規開拓力をつけたい…。

 

そういった現実におかれたら、安直に「営業を募集しよう!」と発想せず、まずは自社商品の性質とマーケットの現状、そして働く人の心理状態を読み切ることが大切です。

 

御社では、誤った採用方針により、ムダな人件費を垂れ流していませんか?

 

 

 

 

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