第259話 差別化は「戦わずして勝つ」ための具体的アイディア

2017.5.9

 

 

 

「差別化の重要性を改めて認識できた良い機会になりましたよ」

 

先日、とある経営者の会で開かれたセミナーに登壇した際、懇親会で頂いた感想。

 

さすがは百戦錬磨の経営者。

2時間30分のセミナーをたったの一言で表現してくれました。

 

「(差別化とは)要するに、営業が成果を出しやすい環境をつくることですよね!」と。

 

成果を出しやすい環境は、戦略や戦術などといった言葉で置き換えることが出来ます。

 

ただ、この「戦略と戦術」という言葉は意外と厄介かも…と最近時々感じることがあります。

と言うのも、言葉だけが一人歩きして、実際の現場レベルまで落とし込まれていないと感じるからです。

 

現場まで落とし込まれなければ、何も意味をなしません。

それどころか、誤った認識を生んだり、誤った活動に結びつく危険性すらあります。

 

誤った活動は、時間とコストのムダ遣いになるばかりか、社員が失敗経験を踏むことで、自信喪失や、活動の方向性を決めた上司への責任転嫁にも繋がりかねません。

 

百害あって一利なしです。

 

 

 

・我々が進むべき道は何か?(何をもって顧客に貢献し続けるか?)

・我々が進むべき道はどのような状態か?(事業環境の状態は?)

・我々が進むべき道を拒むものは何か?(競合はどこか?)

・我々が、やるべき事は何か?(やらないことは何か?)

 

といった大方針を明確にすることで、はじめて「戦略」が生み出されます。

 

そして、その戦略を「如何にそれを成し遂げるか?」という課題をクリアにしていく過程で「戦術」が明確になっていくわけです。

 

ここまで煮詰めて、ようやく言葉が一人歩きせずに、具体的な行動として現場に落とし込まれます。

 

 

ちなみに、藤冨はこの戦略と戦術を“楽勝で勝てる作戦”にまで煮詰めることが重要だと考えます。

 

孫子の言う「戦わずして勝つ」という言葉を、事業活動に置き換えた概念だと解釈しているからです。

 

そして、この楽勝で勝てる作戦は、結果として「差別化」に繋がっているはずです。

 

 

戦わずして勝つ作戦を実行に移せば、社員に勝ち戦を経験させることが出来ます。

 

勝ち戦を経験すれば、仕事(営業)にも自信がつき、自然と社内に活気が生まれます。

 

社員研修などで、モチベーションを上げても、本質的な自信など身につきませんが、本業で成果をあげれば、着実に自信は芽生えます。

 

自信がつけば、トライする勇気も生まれ、行動に積極性を持たせることが容易になります。

 

このようなプロセスを通じて、ようやく「業績躍進の土台」が出来上がるのが、現実のはずです。

 

 

ただ、「差別化」の方針を打ち出した初期段階では、大多数の社員は疑心暗鬼になり、1mmたりとも成果には結びつかないかも知れません。

 

大多数の人達にとって、結果が分からない仕事は、恐怖以外の何者でもなく、本能的に避ける傾向があるからです。

 

なので、経営者や営業幹部が先頭に立って「小さな成功」を見せ、差別化の効果を社員に見せることは大事です。

 

第二次世界大戦時の海軍大将 山本五十六氏の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」という名言の通りです。

 

 

小さな成功を土台に、さらに試行錯誤を積み重ねながら「大きな成果」を生み出し、大きな成功を体験していく。

 

このプロセスを踏む土壌づくりが「差別化を図る」本当の目的です。

 

 

ドラッカーが「資本(カネ)を投入して、生産設備(モノ)を所有し、労働力(ヒト)を使って、成果を出すプロセスの「カネ、モノ、ヒト」が、知識に取って代わる社会が知識社会である」と言っていました。

 

これは、一つの解釈として、「差別化」を図る知恵は、知識社会にとって必要不可欠な要素だと捉えることが出来ます。

 

これから、ますます知識社会は進展していきます。

その知識社会で、持続的に利益を出し続ける組織体質を身につけるには、差別化…つまり楽勝で勝てる作戦を構築する企業文化を育むことが大切になっていくのは間違いありません。

 

御社では、戦略・戦術を“楽勝で勝てる作戦”にまで煮詰めていますでしょうか?

 

 

 

 

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