第260話 儲けに繋げる「営業的思考プロセス」のあり方

2017.5.16

 

 

 

「最近、基幹となる事業の売り上げが下がっています。新規事業を考える時期だと思いますか?」

 

ご紹介によってお会いした方から時々頂くご質問です。

藤冨のクライアント企業さんの新規事業の立ち上げを見て、「我が社も…」と思われたのか、セミナーを聴いて、新規事業の重要性に気が付いたのか…

理由は様々なようです。

 

が、藤冨雅則は安直に新規事業をお勧めしているわけではありません。

 

発信するコラムやメルマガが「新規事業の立ち上げ」が中心なだけに、誤解されがちですが…基本スタンスは、本業強化です。

 

新規事業をお勧めしたり、プロジェクトに入ってお手伝いする際も、本業とのシナジー効果(相乗効果)には、気を配っています。

 

そもそも、基幹の事業の売り上げが下がった。

であれば、新規事業ですね! なんて短絡的な発想は一切しません。

 

その前に「本業でなぜ利益が取りにくくなっているのか…」。

営業的な目線から、その構造的変化を感じ取ることが何よりも大事だと思っていますから、注意深くご相談に乗るようにしています。

 

ご相談いただく経営者の方は、藤冨よりも、深く深くその事業に携わっているのですから、直感やその想いに至るまでの思考回路も注意深く伺うのは当然だからです。

それでも、外部ならではの目線も同じように重要だと感じています。

 

なぜなら、別な分野を専攻していたり、多分野にまたがって様々な事業に関与しているからこそ、感じることができる「構造的な変化(時代の流れ)」は、営業活動にとって、売り上げに直結するテーマになりうるからです。

 

 

例えば、今流行りの「ビットコイン」という仮想通貨があります。

 

これは、表面的には「投機対象」と思われていたり、50年前にドラッカーが必要性を予見した「世界共通通貨」と捉えることも出来ます。

 

しかし、構造的に見るとそれだけではありません。

 

ビットコインは、ブロックチェーンという基幹技術に支えられていますが、今この基幹技術を使って東京海上日動が保険証券をブロックチェーンで共有する実証実験を開始したり、アメリカでは未公開株の売買にもすでに利用されていたりします。

 

このブロックチェーンという技術を一言で言うと、管理者が存在せず、プログラムそのものの仕組みの中で契約社会を成り立たせるものと理解することが出来ます。

 

つまり、みんなが監視し合い、監視された取引の中では、嘘がないよね…という合意がなされる社会が作れているわけです。

 

何が言いたいかと言うと、時代の構造的変化の一つの形になるわけで、「支配者と国民」「親と子」「指導者と生徒」といった概念に世界中の人々が嫌悪感を抱いているのでないか? という仮説が成り立つのではないか、ということです。

 

政治不関心、親子関係のフラット化、企業においてもフラット型組織の進展は、その一現象なのではないか…と見ることが出来る。

 

となると、自らのビジネスもおいても、このような構造的変化の影響を受けることはないだろうか…と思考を深めることが重要になるわけです。

 

たまたま事例が最新技術になってしまいましたが、ある現象の根底には何が起きているのか?を推測しながら、同じ構造的変化の影響を受けていないか?を仮説として持つことは、とても重要な思考プロセスです。

 

以前、飲食店によく置かれている「呼び出しベル」を、工場にも積極的に営業を仕掛けるお手伝いをしたことがありました。

 

元々、商社からの引き合いで大手企業にも導入実績があったのですが、当時はなぜウチの呼び出しベルが工場から評価されているのか? なぜ、購入に踏み切ってもらえたのか? 掌握できていませんでした。

 

購入理由を完全掌握していなければ、こちらから積極的な営業は出来ません。

 

そこで、既存顧客にインタビューを行ったのです。

 

すると、同社の商品が選ばれる明確な理由が手に取るように分かりました。

 

工員さんが管理者を呼ぶ際に使っていたのですが、これまでは有線の呼び出しベルを使っていました。その中で、大きな問題が生じていたのです。

工場のレイアウトが変わるたびに呼び出し機器の移設費用がかかる…という問題です。

 

でも、無線ならその必要がない。

競合他社も比較したが、最も無線の知識が深く、機械の安定性もある。

だから御社の商品を採用したのだ…と。

 

ここで着目したのは、「工場のレイアウトが変わる」という現象です。

 

なぜ「工場のレイアウト」が変わるのか?

それは、同じものを作り続けても売れずに、多品種少量生産が求められている成熟社会だから。

 

これは時代の構造的変化の影響です。

 

なので、同じテーマを抱えている市場をくくってアプローチをすれば、顧客の方から「売ってください」となるわけです。

 

どのような構造的な変化を「テーマ」として拾うか?

この勘所がバッチリあたると、既存事業が息をふき返したり、別の新しい市場を発見できたり、とコストをあまりかけずに、売上を伸ばすことが出来ます。

 

既存事業でも、新規事業でも、同じですが、要は現象レベルに惑わされないように注意深く観察して、市場で何が起きているのか?の勘所を掴むことが大事です。

 

そして、起きている現象から生じる問題や課題を未来のお客様になりえる人たちがそれを知覚しているか?

 

もし、知覚していれば、購買行動に繋がるアプローチを徹底して考え、知覚していなければ、如何に啓蒙活動をすれば売上に繋げられるのか…

この思考を煮詰めていくことが何よりも大事だと藤冨は考えます。

 

 

御社では、今置かれた事業環境の構造的変化を見抜けていますか?

 

 

 

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