第272話 価格競争で負け込んでいる営業部を活性化させる策

2017.8.8

 

 

 

「インターネットが浸透した影響や、競合の低価格戦略もあって、売上が伸び悩んでいます。営業部を活性化させる良い方法論はないでしょうか?」

 

 

藤冨の持論である「闇雲に営業研修を実施しても、効果をなさない…」という主張をよくよくご理解している社長さんからの久しぶりのメール。

 

電話でお話を伺うと、どうやら競合がめちゃくちゃな価格破壊を仕掛けていて、ネットでも派手に宣伝をしているとのこと。

 

問い合わせ件数が、減っているのも問題なのだが、一番悩ましいのは商談のまとまる確率が目に見えて低下していること。

 

移動経費はかかるし、営業マンの士気も明らかに下がってしまう。

 

ウチも頑張って(価格)はいるのですが、もっと大胆に全て一律で低価格対応をしていったほうが良いかも…と半ば諦め気分のお声が電話口から漏れてきました。

 

商品の内容を知っているだけに、「価格の見直しも必要かも知れません。が、その前に、御社の強みをもっと前面に出して、顧客メリットを感じられるようにアプローチ・商談をしていますかね?」とお伝えると、たぶん…おそらく…と確信が持てないご様子だったので、こうアドバイスをさせていただきました。

 

 

「まずは、競合の機能比較表を現場に作ってもらってください。その上で、自社の強みを列挙させてみてください。そして、その強みがどう顧客メリットになるのか? を各自レポート化してもらいましょう」

 

 

とお伝えすると、「なるほど、それはやってみたい!」と肯定してもらい、早速実施。

 

 

1週間も経たないうちに、「想像以上に何も考えていませんでした…」とご連絡がきて、なぜ受注確率が下がっているのか? その原因も明らかになったのです。

 

その原因は、社長が念頭に置いている「独自性(強み)」を営業が理解できていなかったこと。

 

これでは、パンチ力のある商談など、できっこありません。

営業活動が、子供の使いになっていることが容易に想像できます。

 

競争がゆるい時代は、パンチ力のある商談ができなくても、受注確率はそれなりに維持できます。

 

しかし、見込客側で選択肢が広がったら、「なぜ、価格差があるのか?」その理由づけをハッキリと明示しないことには、商談が決まるはずがありません。

 

至極当然のように聞こえるかも知れませんが、この「理由づけ」は、煮詰めきれていないケースが多々あります。

 

また、価格差の理由づけは、顧客メリットに変換できていないことには、商談で響くものにはなりません。

 

「我が社の商品は、素材にこだわっているのです」

「我が社の商品は、熟練工が作業しています」

「我が社の商品は、他社にはない優れた機能があります」

 

と強みとなる独自性を謳っても、「素材? 別に素材にはこだわっていませんが…」と商談で切り返されたら、営業マンは黙ってしまう人が大半。

 

 

機械加工の緻密性が、許容範囲なら、あえてコストの高い熟練工を使わなくてもいいですし、優れた機能を持っていても、見込客がそれに価値を見出せなくては、商談でアピールする意味がなくなります。

 

 

差別的優位性が謳えない、それを見込み客が価値に変換できない商談は、時間と交通費、さらには、営業マンの人件費の無駄使いです。

 

武器を持たない戦士を戦場に出してもけが人・死人が増えるだけ。

戦場に行くなら、勝てる武器を持って出陣させるべきです。

 

営業部隊も同じです。

 

つまり、商談に出掛ける前に、まずは自社の強みを明確にし、顧客に響く「営業トーク」を準備してから行かないと、期待する結果を得ることはできません。

 

したがって、丸腰で商談に出かける時間を作る前に、顧客視点で見た際の「コストパフォーマンス」を精査する時間を作るべきなのです。

 

社内ミーティングの中で、自社の強みと顧客メリットの因果関係が明確に理解でき、競合との価格差に自信を持って「理由づけ」を説明できるようになれば、自然と商談での営業パワーが発揮できるようになります。

 

もし、この価格差の理由づけがハッキリとしないようであれば、残念ながら失注率は高位安定せざるを得ません。

 

御社では、価格競争に打ち勝つための営業対策をしっかりと施していますでしょうか?

 

 

 

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