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第312話 自立できない営業マンに欠けている能力

 

 

 

「藤冨さんは、営業マンのスキルより、商品力をあげるべき。という主張ですが、それだけで業績は上がりますか?」

 

かなり誤解のある受け止められ方をされている方からご質問がありました。

でも、誤解されるのも無理はないかも知れません。

過去のコラムを振り返ると確かにそう解釈されても仕方がないと私自身も感じます。

 

しかし、真意は違います。

商品と営業は、同じエネルギーで市場に働きかけるときに、最も強い「販売力」を発揮するというのが本来の考え方です。

 

ただ、その中心軸になるのが「商品コンセプト」であるのは間違いないと私は確信しています。

商品は、商品コンセプトを支えるために、様々な機能や特性を持たせることが大事です。

営業は、商品コンセプトを的確に伝え、市場や商談相手に「あなたにとって、この商品コンセプトは、このようなメリットを与えます」という「翻訳」機能を持たせることで、力強い営業力を発揮するものです。

 

商品コンセプトを中心にした営業を展開する。

これは、ものすごく大事な視点になります。

 

よく営業力と言うと、外見、話し方、商談テクニックなど表面的なことばかりに着目されてしまいます。

特に書籍や雑誌はそうです。

 

私も1冊目の本ではいわゆる営業本を出版しましたが、幅広い読者層に届けようとすると表面的な切り口がどうしても前面に出てしまうのです。

 

多くの「営業本」も同じです。

著者が狙っているのか、それとも編集者の意向かは別として、コミュニケーション本になりがちです。

 

中には「仲良くなれれば売れる」「笑顔が大事」と言った論調で「商品知識は無用である!」と主義主張しているケースすらあります。

 

マズイのは、これを「我が社が売れないのは、営業マンにこうしたコミュニケーション力が足りないからだ」と真に受けてしまう経営者や営業マネージャーがいることです。

 

確かにそういった一面もあるでしょう。

間違いではないかも知れません。

しかし、そこだけに焦点が当たっているとするならば、明らかに「的外れ」です。

 

企業と市場は、確かにコミュニケーションをしています。

逆説的に言えば、このコミュニケーションが断絶すれば「商売」は成り立ちません。

 

ここで言うコミュニケーションは、人と人のコミュニケーションだけではなく、モノと人のコミュニケーションも含めての「コミュニケーション」のことを指しています。

 

平たく言うと、「モノ(商品)」にコミュニケーション性が内包されていなければ、売れないということなのです。

(モノもサービスも同義です)

 

そして、この延長線上で考えると、モノに内包されているコミュニケーション性を営業マンが深く理解し、買い手に伝える能力を持ち得ていないと、これまた売れないのです。

 

自立できない営業マンは、この能力を持ち合わせていません。

 

 

様々な業種、そして規模の大小に関わらず色々な企業、プロジェクトに関与させていただく中で、これは間違いのない視点だと確信しています。

 

では、モノに内包されているコミュニケーション性とはなんでしょうか。

正しく理解するためには5つのポイントを抑える必要があります。

 

  1. 商品コンセプトが生まれた背景
  2. 商品コンセプトの存在意義
  3. 商品コンセプトをベースにした機能、特性の詳細
  4. 機能や特徴から感じ得る顧客の期待価値
  5. 機能や特徴から与える顧客メリット

 

詳細は、コンサルティングノウハウになりますので、詳しくはお伝えできませんが、概要をお伝えしないと消化できないと思いますので、ざっくりと申し上げます。

 

 

1.の商品コンセプトが生まれた背景、さらには2.商品コンセプトの存在意義は、ドラッカーの言う「顧客創造」と密接に紐づいています。

満たされていない「市場の欲求」をどのように掴んだのか。

なぜ、我々がそれに取り組むのか。

これらを立て板に水のごとく、伝えることができなければ、強い営業力は生まれません。

何を売っているか?

よりも、我々がなぜこれを売っているのか? を買い手に理解させた方が強い営業力を発揮するのは、営業経験者なら誰でも頷いてくれるはずです。

 

3.商品コンセプトをベースにした機能、特性の詳細は、買い手が興味・関心を抱いた後に「強い購買欲求」を喚起するためには欠かせないポイントです。

伝えたい一番のポイントは、商品の存在意義を支えるために、我々はどのような努力をして商品を作り上げているか、というメッセージです。

かゆいところに手が届いていれば、顧客は感動します。

それを伝えるのです。

多くの営業コンサルタントは「商品知識」を軽視しています。これはきっと彼らの出身が「保険」「車」「事務機器」などのコモディティ商品を取り扱ってきたからでしょう。

だから、ほとんど商品の説明をせずに売れると思ってしまっている。

でも、現実は違います。

彼ら、彼女らも実際には深い商品知識を持っています。持っていることが前提として、自らの自己重要感をあげるために「営業力」を前面に出しているにすぎないのではないか?と私は感じるのです。

 

営業マンの力量で商談成約率が左右するのは間違いないです。

でも、それは人間性だけでないです。

なぜなら、厳粛たる現実は、お客様はモノやサービスを購入することで得られる「メリット」を購入しているのですから。

 

 

4.機能や特徴から感じ得る顧客の期待価値も、5のそこから与える顧客メリットは、営業マンの力量にもっとも左右されるところです。

私が導入をお勧めしている「波及営業」は、この力量を緩和させること重視していますが、それでも力量がフラットになることはありません。

 

営業は、顧客との会話が多ければ多いほど、顧客の期待、利用時に感じたことのデータベースが蓄積されます。

日常会話のお喋りではありません。「我が社が提供している価値に対する会話」です。

 

 

 

どうせ営業研修をするのであれば、一般論なんてほとんど必要なく、こうした専門的な切り口から社員の育成を図った方が間違いなく効果的です。

 

御社の営業マンは、自社商品に内包されているコミュニケーション性を正しく理解し、伝える力を持っていますでしょうか?

 

 

 

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