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第313話 持続的に成長する企業と一発屋で終わる企業

 

 

 

「このまま順調に行けば良いのですが、また業績が落ちる悪夢を考えると諸手を挙げて喜べないのですよね」

 

 

先日、コンサルティングの定例会を終えた後、社長さんと一献傾けていた時に、ポロっと過去の内情とともに今の心境をお話しいただきました。

 

昨年からお手伝いをさせていただき、現在業績は絶好調。

しかも売上が倍増する大型案件まで舞い込んできて、組織拡張を強いられるという嬉しい悲鳴まであげている真っ最中の企業です。

 

人材採用は、新卒がいいか、中途がいいか。

生産体制をどうするか。

生産現場が手狭になるので、移転するか。

 

考えることは山積みです。

このような状況になると社員は無条件にワクワクしてくるものです。

 

しかし、社長業はそうもいきません。

組織拡張は、固定費増を招き、損益分岐点を引き上げてしまうからです。

 

同社は、日本で唯一無二の技術を持つ企業なので、一度受注してしまえば、そうそう浮気はされないでしょう。

安定売上に育つのは、高い確率で期待できます。

 

うまく行けば現状の2倍、3倍。

取引先の業容が拡大すれば、さらに倍増する予感さえします。

 

長期間、業績低迷に悩んでいたようですが、技術の蓄積を淡々と行い、人事を尽くして天命を待っていた社長ですから、ようやくこの時が来た!という感じです。

 

客観的に見れば、損益分岐点が多少上がっても、全く問題ないでしょう。

 

ところが、過去の大不況期にバタッと受注が止まった経験をお持ちの社長は、冒頭のように諸手を挙げて喜ぶことは出来ません。

どうしても過去の悪夢が蘇ってしまうようです。

 

しかも、同社の場合は、上記の大型受注が確定すると、さらなる新規開拓に精を出す必要が出てきます。

大口取引先が出現し、売上比率の寡占化が高まると経営リスクが高まるからです。

 

  • 取引が長期化する中でコストダウンを求められ、利益率が逓減していく可能性が高まったり…。
  • 突然の取引停止で、肥大化した固定費を賄えなくなったり…。

 

大口取引先の出現は、一瞬は嬉しい取引のように見えますが、実は危機の始まりとも言えます。

 

「勝って兜の緒を締めよ」とは、まさにこのような状況です。

 

したがって寡占化しつつある取引先の売上比率を下げるためには、さらなる新規開拓が必要です。

そのための投資も必要になりますから、ますます経営リスクは高まってきます。

 

 

それでも、私は安心して見ています。

 

なぜなら、同社は、自社が有利に戦える市場でしっかりと勝負ができているからです。

 

ここがジャストアイディアでヒット商品を当てた一発屋企業との大きな違いです。

 

商社マンがたまたま旅行に行った先で美味しいデザートを見つけて、それを日本に持ち帰って空前の大ヒット。

勢いに任せて多店舗化を進めるも、競合の出現で値引き合戦。

チェーン店経営のノウハウが希薄だった同社社長は、結局破綻を決意…。

 

このような「ジャストアイディア」で一時的にうまく行った一発屋企業は、「自社が有利に戦える市場」などは考えたことすらないでしょう。

 

商品が売れることと、事業が育つことは、似て非なるものです。

 

売れればいいという問題ではなく、事業として育てたい。

そう思うのであれば「自社が有利に戦える市場」に身をおく必要があります。

 

自社が有利に戦える市場とは、「自社の(蓄積してきた)強みが活かせること」「顧客の欲求が浮き彫りにできること」さらに「時代が背中を押してくれること」、この3つの条件が重なり合うことで生まれてきます。

 

逆説的に言えば、この3つの条件が2、3年のスパンで見通せれば間違いなく事業として成長させることができます。

 

波及営業を事業の成長エンジンとしてご利用いただき5~6年経っても、その勢いを失っていない企業の共通点は、皆この3つの条件が強く美しく結びついています。

 

だから、私は冒頭の社長にも申し上げました。

 

「もう悪夢は来ません。社長は、自社に有利な市場を築き上げたのでアクセル全開で参りましょう!」と。

 

私の経験上、今の気持ちを持ち続ければ間違いなく事業は倍、倍単位で増加します。

ぜひ頑張ってください!!

 

ちなみに御社は、自社に有利な市場で闘っていますでしょうか。

 

 

 

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