とことん「本質追求」コラム第314話 ビジネスチャンスの見つけ方

 

 

 

「脳にパンチと刺激のあるセミナーで参加してつくづく良かったです。タイトルにありました通り「社会システム変革の本質」ということを一番感じたセミナーでした。本質をついたタイトルだと、今もしみじみ感じております」

 

先週末に開催しました「コラム300号記念セミナー」にご参加いただいた方から、嬉しいメールを頂戴しました。

 

主催者冥利に尽きるお言葉を頂き、この場を借りて御礼を申し上げます。

ご参加いただきました皆様も、本当に有り難うございます。

 

本セミナーは、みなさんと一緒に変化の中からビジネスチャンスを見出したい…という目的で開催しました。

私個人も楽しませていただいたセミナーでしたが、改めて思ったことが2点ほどあります。

 

一つは、外国の方の情報を射抜く目は鋭いということ。

二つ目は、変化はピンチとチャンスが同居しているということです。

 

パネルディスカッション において「AI(人工知能)がBI(ベーシックインカム)を助長させる」というお話をした際に、一番うなずいていたのが、外国の方(アメリカ人?)でした。

 

これまでの社会は、国民が働き、その対価をお国に上納して、社会が成り立っていました。

貧しい人は「生活保護制度」があり、高齢者には「介護負担」があり、最低限の暮らしは保証されていました。

しかし、これからは、すべての国民が「生活をする上で必要なお金を受け取れる仕組み」が動き出そうとしています。

これは世界的な動きになる可能性が高いです。

すでにヨーロッパ諸国でテストが始まっていて、各国に飛び火しているからです。

 

今の日本においては、このような情報は他人事に聞こえてしまうかも知れませんが、外国の人は敏感に反応しています。

きっと自国を無条件に信用しない精神性が、世界で起きていることやテクノロジーの進化から類推できることを「対岸の火事」として捉えない土壌を生んでいるのでしょう。

我々も諸手を挙げて日本国を信用しないことが大事なのではないでしょうか。

情報の感度を高め、好奇心を持って本質を追求する思考回路を持つことは、これからの時代とても大事なことだからです。

 

変化が起きてから「思考」を始めるのと、変化の予兆を感じ取り、温度感を感じながら「思考」をしていくのとでは、明らかにアウトプットに差が出てしまいます。

 

ベーシックインカムに限らずですが、理解できないテーマであっても、変化の予兆を感じるためにも外国人のように敏感に反応したいものです。

 

これが「社会システム変革の本質を見極めるセミナー」を開催して、改めて思った一つです。

 

二つ目に改めて思ったことは、社会の変化を「恩恵」「失うもの」の両面から分析する大切さです。

 

変化によって享受する「恩恵」と「失うもの」を見極められれば、ビジネスチャンスが見えてくるからです。

 

例えば、産業革命の出発点は、蒸気機関でした。

そこからエンジンへと発展し、鉄道、飛行機、自動車などの製造によって「脚力」の拡張がなされ、私たちは長距離を楽に移動できるという恩恵を授かりました。物流も強化され、世界各国のモノが行き来するようになり、必然的に消費が活性化していきました。

 

反面、その恩恵とセットで、失ったものもあります。

産業革命では、脚力そのものを失いました。

そこから失ったものを取り戻したいという「欲求」が生まれ、「スポーツジム」などの産業が生まれたわけです。

 

今、高額なインソールを製造しているメーカーをお手伝いしているのですが、爆発的に売れている理由もここにあります。

これまでのインソールは「保護」を目的としていました。

靴も同じです。「保護」が目的です。

しかし、保護をすれば、必然的に本来の機能を失います。

 

江戸時代の人が参勤交代で1500km以上もの距離を歩けたのは、足の力があったからです。

履いているものを見ると「足半(あしなか)」と言って、わらじが足裏の半分しかなく、鼻緒(はなお)も先端についていて、足指が飛び出してしまう構造をしていました。

保護という観点から見れば、ナンセンスな構造です。

しかし、飛び出した足指がしっかりとわらじをつかむ構造になっているので、足裏の筋力が必然的に鍛えられるわけです。

これが長距離を歩き続けられる「根源」だったそうです。

 

爆発的に売れているインソールは、この構造をそのまま取り入れました。

足指が靴の中でしっかりと運動する特殊構造をしており、履いているだけで必然的に足が強化されるのです。

 

この謳い文句でショットチャンネルでは1時間で1200万円のセールスを記録し、伊勢丹では、6日間の催事販売で異例の販売記録を叩き出しています。

 

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まさに、変化を見極めた勝利です。

 

では、情報革命はどんな変化をもたらすのか?

産業革命が「筋肉の拡張」であれば、情報革命は「脳みその拡張」と捉えられるでしょう。

 

そして、インターネットは「知識の拡張」と捉えることができ、人工知能は「判断の拡張」と捉えられます。

また、先に挙げたベーシックインカムは「安全の拡張」と捉えることができます。

 

「知識が拡張」することで、得るものは何か?

そして、失うものは何か?

 

知識の拡張で得るものは、選択肢の獲得です。

例えば、おいしい食べ物が食べたいと思ったときに、脳の中にインプットされた経験だけでは選択肢が限られてしまいます。

でも、ネットによって知識が拡張されれば、選択肢が増えます。

人間の根源的な欲求である「認知欲求」や「獲得欲求」が満たされ、人々はさらにこの欲求を強化していきます。

人間は貪欲なので。

これによって、コンテンツ産業が拡大していきました。

今、世界的なトップ企業は、まさにこの主軸産業・周辺産業にいるはずです。

 

 

また、知識の拡張で失うものは「記憶力や計算力の低下」です。

イメージしやすい例を用いれば、携帯電話の電話帳が定着したおかげで、私たちは電話番号を記憶する必要がなくなりました。

昔は、少なくても、10件や20件を優に記憶していたはずです。

しかし、記憶する必要性がなくなった今、確実に「記憶力は退化」を始めているはずです。

 

この退化から新しく生まれるビジネスチャンスはないか?

自社のビジネスに置き換えて何かヒントは生まれないか?

考えるだけでもワクワクしてきます。

 

さらに人工知能の「判断の拡張」やベーシックインカムの「安全の拡張」から「得るもの」「失うもの」は何か?

 

 

大きな概念で分析をして、自社の新規事業のタネを探していけば必ずビジネスチャンスは見つかります。

 

なぜなら、変化はビジネスチャンスと言いますが、その本質は、得るものと失うものから生まれる「欲求」が顕在化するからです。

 

その欲求を知るためには、上記のように、「抽象化」と「具体化」を行き来する発想法から見つけることが出来ます。

 

私は、産業機器、IT、食品、日用品、園芸品など、様々な業界に関与させてもらっていますが、具体的現象を抽象化していくと、かなりテーマが同じ方向性に収束されていくのを感じています。

 

成功している事業は、ほぼ100%「時代の変化」を汲み取っているからでしょう。

 

御社では、時代の変化を汲み取って顧客の欲求を明らかにしていますでしょうか?