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第332話 売り手と買い手の「壁」が溶ける時代

 

 

 

『成功する新規事業と失敗する新規事業を端的に言うと何が違うのでしょうね』

 

先日、法人向けの新規事業が無事に離陸したプロジェクトメンバーからお別れ会を開いてもらった時の話題。

 

実際に成功した事業、失敗した事業の結果論であれば、端的にポイントをつけるかも知れませんが、一般論となると、とても一言では片付けられません。

 

それでもなお、一つだけ挙げるとしたら…と突っ込まれたので、こう申し上げました。

 

「法人向けの事業の場合、関わる人の大半が“大義のある仕事”と思い込んだときに成功しやすい」です、と。

 

抽象的な回答ですが、今回の結果を出したプロジェクトも、まさにこの一言に尽きました。

 

 

これまで数多のプロジェクトに関与してきましたが、経験上高い確率で成功するプロジェクトには大義があります。

 

 

  • 社会が抱えている問題を我が社ならではの技術やサービスなら解決出来る!

 

  • 満たされていない消費者を我が社なら救い上げることが出来る。

 

  • 私たちの技術、サービスなら、もっと社会をより良く出来る。

 

 

こういった自信が、自画自賛ではなく、想定顧客が価値を認めたときに、その新規事業は無事に離陸していきます。

 

自分たちが生き残るためだけの新規事業ではなく、顧客や社会から必要とされる満足を提供するから、結果生き残ることが出来る。

様々なプロジェクトに関わってきて、強く感じることです。

 

今後、ますますこの色は濃くなっていくのは間違ありません。

 

 

もちろん、建前と本音はわきまえて話をしているつもりです。

綺麗事だけでは事業ができないことくらいは百も承知です。

 

しかし、時代の流れを鑑みるや、これからは「大義」なくして事業は成り立ちにくくなるのは目に見えています。

 

インターネットの登場は、一部の人間にしかリーチできなかった貴重な情報をオープンにし、誰でも平等に情報を入手することができる環境を与えてくれました。

 

そして、それがインフラとなり登場したSNSでは、特権者からしか情報発信できなかったものが、個人からの発信を許し、情報の透明度を高めてくれました。

 

そして今、静かに、しかし強力な存在感を示し始めたブロックチェーンは、主体のない世界観を作り、相互監視社会を作り出そうとしています。

 

この大きな流れは、間違いなく加速していきます。

 

歴史的に数多の戦争を経て、国境の壁が溶けていったように、組織の壁、情報の壁、個人の壁は、今後少しずつですが、ブロックチェーンによって溶かされていきます。

 

相互監視社会になれば、企業は消費者に対して情報をクローズドにし、自社だけが潤うような活動ができにくい社会になります。

 

すでに、この時代を感じ取り、先駆けて事業モデルを確立しようとしている企業が

ちらほらと出てき始めています。

 

LINEの動きが、その一例です。

 

LINEは、「LINEトークンエコノミー」という構造を打ち出していますが、これはサービス生産・提供者だけではなく、ユーザーも生産者として位置付けて、貢献度に応じて報酬を払う仕組みを構築しようとしています。

ブロックチェーンを使い、この報酬の根拠と運用をガラス張りにして、参加者全員が納得する経済圏が生み出されていきます。

 

参加者が居心地良いと感じれば、業界を飛び越えて概念的模倣活動が増えていくはずです。

すると、一企業の特異な事業活動の枠を超えて、社会的な流れとなり、いつしか「時代」と呼ばれるようになっていくのは間違いありません。

 

 

これは、歴史の延長上からみると、売り手と買い手の壁さえも溶けていく…ということになるのではないでしょうか。

 

この流れは、遠い未来ではありません。

すでに始まっていて、加速度的に進んでいく流れです。

 

こういった時代では、より社会に貢献しよう、より顧客に貢献しよう!という高い道徳心を持った事業…つまり大義のある事業というのは、必然的に支持されるはずです。

働き手だって、大義のある仕事で、自らの精神性を安定させたいものです。

 

私の友人経営者が先日ポロリと言っていました。

「時代の変化は、ゆっくりと流れているように見えるけど、自社の事業への影響は急激に変化してくる」と。

 

人間も会社も「環境に依存する生き物」です。

 

であれば、環境変化に対して無頓着ではいられないはずです。

 

以前、養老孟司さんが講演で面白いことをおっしゃっていました。

「人間はね、自分を変わらないと思っているんですよ。でも毎日細胞は入れ替わっていて、変化しているんです。白髪ジジイになった私でも、赤ちゃんの時がありました。昔と今では全然違うでしょう。でも毎日の変化には気がつかないのです。

人間は、変わってほしくないという潜在意識がどこかであります。だから気がつかないのです」と。

 

自分さえも変わってほしくない、と潜在意識が認識しているのですから、環境変化もまさに同じ。

 

携帯がなかった時代は、今の時代と大きく違います。

ネットがなかった時代と、今の時代は大きく違います。

 

携帯が出始めの頃は「外出先まで追っかけられるのは嫌!」と多くの人が言っていました。

 

ネットで何か買おうものなら、クレジットカードの情報が盗まれる。履歴が残るし監視されているようで嫌!と多くの人が言っていました。

 

でも、今は多くの人が携帯を持ち、ネットでショッピングを楽しんでいます。

 

時代が変わる節目には、必ずネガティブな反応を示すのが「社会」です。

 

しかし、事業を推進する人たちが、これに同調してしまうと事業が浮き草のように、思わぬところに流れていってしまいます。

 

話が少し逸れてしまいましたが、次なる時代の大きな流れは、買い手との対等関係です。

だからこそ、より大義ある取り組みが求められるようになってくるはずです。

 

御社では、自社の仕事を大義あるカタチに昇華させていますでしょうか?

 

 

 

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