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第349話 卸販売か、直販営業か…その選択基準とは。

 

 

 

『新商品の販売モデルを決め兼ねています。

販売会社を募集すべきか、直販営業で販売すべきか。どっちが良いと思いますか?』

 

以前、コンサルティングに入る前に投げかけられたご質問。

 

商品の特性、商慣行、社内リソースを知る前にテキトーな事は言えないので、卸と直販営業を選択する際の前提条件を先にお話しすることにしました。

 

何故ならば、どちらが良いか?という感覚的な話ではなく、前提が決定されると必然的に卸、直販のいずれがベストかは答えが規定されてしまうからです。

 

では、その前提とは何か?

 

今回はBtoB商品に限定して、列挙してみたいと思います。

 

まずは、目標値になります。

1億を目指すのか。

それとも100億を目指すのかによって変わります。

これは売上目標だけではなく、マーケットボリュームの観点からも「卸または直販のどちらがベストか」は規定されていきます。

当然、大きな売上を上げようとするのであれば、販売協力者が必要になります。

 

次に、「商品特性」「商談の難易度」「競合(価格競争)」「意思決定者特性」「営業マンの育成・運営体制」によっても卸、直販それぞれどちらを選ぶべきか、必然的に決定されます。

それぞれ、説明していきましょう。

 

 

「商品特性」

自社の主力事業として販売する商品なのか。

それとも、期間限定商品や、フロント商材(本業の商品を販売するための下地作りを行う商品)なのかによっても異なります。

基本、卸の場合は「最終顧客の声」が、入手できにくくなります。

最終顧客の声が入手できなければ、ロングセラー商品を作る上で必要不可欠な「改良のネタ」が社内に蓄積されません。

Bto Cであれば、アンケートやプレゼントなどで消費者からリーチさせる方法もありますが、Bto Bの場合は、どこに何がいくつ売れたのか? の掌握が限定的になります。

 

したがって、単発でバーンと販売する場合は、卸でも良いのですが、しっかりと商品を育てていこう!と目標があるのであれば、直販体制がベストです。

もちろん、卸でも「情報が入る仕組みづくり」が企画でき、定着させられるのであれば、その限りではありません。

 

「商談の難易度」

商品説明の難易度が高い。

パッケージ化されておらず顧客の要求によって販売商品の仕様が変わる商品。

競合商品と比較検討された際に、説明が難しい商品は、基本的に直販営業向きの商材となります。

卸の場合、イチオシ商品以外は、基本的に十分な説明を期待しないほうが懸命です。

時々メーカーの方で、うちの商品はとても優れているので、商社で取り扱ったらすぐに流通に乗って売れるだろう!と言う楽観的な方もいます。

しかし、商社から見れば、現在取り扱っている商品は、どの商品も優れていると思っています。

その中で、新規商材として取り扱いたい!と言う販売協力者や商社を見つけようとする場合、よほどの「商品の特異性」がない限りは、特別扱いしてくれません。

当たり前のことですが、たくさんの売り物がある中で、販売者が特別扱いしてくれなければ、売れるものも売れません。

売りたい!と思うエネルギーと実際の売上は、間違いなく連動するからです。

したがって、卸で行きたいのなら、せめても「競合他社比較表」を制作して、特異性をしっかりと説明できるようにしなければいけません。

(もちろん、直販体制でも「比較表」は作るべきです)

 

 

「競合(価格競争)」

当たり前ですが、最終顧客は「価値」と「価格」のバランスで商品の購入意思決定を行います。

特異性のある価値があり、顧客がその価値を指名買いしてくるようであれば、当然「価格」は類似商品よりも高くても構いません。

しかし、特異性が打ち出せない。または打ち出しても、顧客がそれを特異性と認めない場合は、価格比較は免れません。

商談の難易度でもお話しした「比較表」にしっかりと価格も織り込んでいってください。

 

 

「意思決定者特性」

組織の中間管理職が意思決定する商品と経営者が意思決定する商品とでは、アプローチの方法が全く変わってきます。

経営者は、零細、中小企業であったとしても、名前がわかるために直接的なアプローチが可能になります。

したがって、直販のセールスは戦術の組み立て方が比較的容易に決定できます。

しかし、中間管理職は今の時代ではリストを入手することがとても困難です。

一昔前であれば日比谷図書館や日経新聞などから担当部署と名前が入手できていましたが、今はそれが出来ません。

暗闇の高原で、獲物の溜まり場を探すのは容易ではないのと一緒で、ターゲットが不明瞭な営業アプローチは、かなり高度なアイデアまたは相当の苦労が伴います。

正直、企画力のない企業では、直販体制を築くことは不可能でしょう。

しかし、卸であれば、うまくいけば担当者にリーチできます。

うまくいけば…という前提がある通り、決して一筋縄では行きませんが、ネットワークのあるところに、その経路と親和性の高いシナリオを作れることが出来れば、卸の方が圧倒的に売上拡大が簡単に実現することもあります。

 

「営業マンの育成・運営体制」

最後に、このテーマを軽く考えると大変なキャッシュロスが垂れ流しになります。

今の時代、一旦雇った人を安直に首にすることが出来ません。

トップである経営者が、本気で自社商品を世に広めていく覚悟を持って、その第一次信者となる営業マンを本気で育成する覚悟がなければ、間違いなく挫折します。

 

これは、藤冨が外部の人間として、それなりの数の経営者と語ってきた間違いのない判断材料となります。

 

自分の都合や夢だけで、戦略を決定させるのではなく、商品ありき、市場ありきの判断をする必要があります。

 

御社では、自社および自社商品の特性を踏まえた上で、戦略、戦術の決定を行なっていますでしょうか?

 

追伸

もちろん、上記すべての前提を覆してしまうのが、WEB戦略による拡販です。

広告投資の技術とノウハウさえ、しっかりとしていれば、10億でも100億でも、少人数で実現することが可能になるでしょう。

 

 

 

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