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第354話 売上拡大の秘訣は客層を広げること

 

 

 

「売上を上げるには、客層を広げることが大事ですよね」

 

先日、とある業界第2位の大手外食チェーンの元役員の方と会食する機会がありました。

 

以前、仕事をご一緒させて頂いた方で、久しぶりに会いましょう!ということで、二人同窓会のような雰囲気での楽しい酒席。

 

終始、よもやま話だったのですが、そこで冒頭の「売上を上げるには客層を広げること」という非常に興味深い話を伺いました。

 

業界を少し変えて本質だけを曲げずにお伝えしたいと思います。

 

その“とある業界”を「うどん業界」だと致しましょう。

 

以前は、業界のパイオニア企業で、不動の業界1位を何十年と続けていた企業だったのですが、ある事件をキッカケに2位に転落してしまいました。

 

そのある事件とは業界を揺るがすような社会的事件だったのです。

 

例えば、小麦粉の大半が輸入品(アメリカ産)だったとして、その小麦を食すと重大なる健康被害を引き起こし、最悪は死に至る可能性すらある… 事件といえば、似たイメージで想像して頂けると思います。

 

このとき、業界1位の企業は、アメリカ産の小麦は良質廉価だったために、同等の品質・価格を維持できないと販売を一時休止。代替品として、そばを販売し始めました。

ところが、2位の企業は、「うどんの質」にそこまでのこだわりを持っていませんでした。

様々な国から安い小麦を輸入し、低価格を維持。

さらに味の劣るうどんをカバーすべく、様々なメニューを提供し始めたのです。

 

1位の企業は、真っ向勝負で「うどん」と「出汁」にこだわり、いわゆる伝統的なメニューしか提供していません。うどん屋であることに誇りを持っていたからです。

 

しかし、2位の企業は、事件前からキムチチゲうどん、サラダうどん、トムヤムうどんなど、普通の専門店では提供していない奇抜なメニューを提供してきたのです。

 

そして、消費者が業界最王手の「うどん」を食べることが出来ない時期に、2位の企業の「うどん」に食べ慣れてしまった結果…

 

若者を中心に、第2位の企業のファン層が増え、追い抜かれてしまったのです。

 

そして、事件が風化する時の流れとともに、2位の企業は「うどんの質」自体も向上させていき、10年以上経った今では、追いつけないほどの地位を築かれてしまったとのことでした。

 

この話を聞いた私もおもわず納得。

他業界の事例を話しながら、「客層を広げることこそ、売上拡大のチャンスにつながる」という見識に確信を強めながら、大いに有意義な会話を楽しませてもらいました。

 

この話は非常に奥深いです。

 

なぜなら、単なる「こだわり企業」と「非こだわり企業」の対決という表面的な事象ではなく、「顧客とどう向き合えば、売上が拡大するか?!」という本質的なテーマが横たわっているからです。

 

そして、誤解しがちなのは、「客層を広げる=ターゲットを絞らない」という公式ではないということです。

 

ターゲットは、明確に絞った上で「客層拡大」という視点を持つことで売上は拡大していきます。

 

 

具体的に掘り下げていきましょう。

 

上記の「元1位の企業」は、当時、ターゲットという概念を勘違いしていたようです。

当社は、うどん屋であり、お客様は、うどんを食べにきている。というターゲットを定義していたのです。

(商売でターゲットという表現は好ましくないのですが…便宜上お許しください)

 

しかし、現1位(元2位)の企業は、「安価に美味しいものをお腹いっぱい提供する企業」と定義し、お客様を「安くて美味くて腹一杯食べたい人たち」と定義し、それを徹底していたのです。

 

どちらの基本方針が、客層を広げますでしょうか。

そして、後者は、ターゲットを曖昧にしていますでしょうか。

 

答えは明白です。

 

「うどん好き」の人よりも、「安くて美味しくて腹一杯食べたい人たち」に焦点を合わせ、徹底的にメニューをブラッシュアップした方が、市場の分母は取れるはずです。

 

 

これを、営業戦略目線で、読み解き直すと「商品を売る」のではなく、「コンセプトを売る」という視点になります。

 

 

自社の商品が思うように売れない時には、商品を売っている可能性が大です。

これは、藤冨が様々な業界の企業をお手伝いしていて常に感じていることです。

 

商品を売るのではなく、コンセプトを売ることに焦点を合わせ、商品のあり方、見せ方、売り方を整えると、売上は面白いように伸びていくことが多々あるからです。

 

そして、そのコンセプトを再考する時に、客層を広げる!という視点を持って、商品のあり方、見せ方、売り方を見つめ直すと、視界が広がり、あるべき戦略が自然と浮き彫りになっていくのです。

 

そのコンセプトは誰にとってどんなメリットがあるのか?!

 

この追求をしつこい位に繰り返し、繰り返し何度も問い直してみてください。

 

商品でなくても、企業姿勢、営業体制、サポート体制などの事業活動そのものも、コンセプトになり得ます。

 

御社では、コンセプトを強く意識した事業活動を展開していますでしょうか?

そして、商品のあり方、見せ方、売り方は、コンセプトを忠実に表現していますでしょうか?

 

 

 

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