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第362話 成功する差別化戦略(その1)

 

 

 

「先週のコラム《 第361話 売上利益が共に上昇する商品ラインナップ政策 》は、良かったですよ。振り返ってみると、確かに無駄な商品を抱え込んでいました。選択と集中が大事ですね」

 

 

先日、クライアント企業の社長さんと一献傾けた時に、コラムの話題になりました。

 

同社は、とても優れた業績を誇っており、利益率も業界平均からすると群を抜いて良いとの事。

それでもなお、無駄を削ぎ落とし、既存商品のブラッシュアップを続ける姿勢は脱帽ものです。

 

その社長さんとの会話で面白いテーマに話が発展していったので、皆様とも共有しようと思います。

 

同社は、現在、業界のトップシェアの商品を製造販売しているのですが、2年前までは長年2位に甘んじてきたとの事でした。

 

AI時代に突入すると、トップシェア以外は経営が苦しくなるとの読みから、何としても販売数を伸ばしたかったそうです。

 

元トップ企業の商品と差別化を図るべく日夜研究開発を続けては、顧客に説いて回る努力を惜しまなかったのですが、その努力はなかなか報われなかったとの事。

 

 

私が見ていたのは、競合他社だけだった。考えていないわけじゃないけど、顧客に徹底フォーカスしているかと言うと嘘になる。これからは顧客にしっかりと焦点を合わせてこう」と深い気づきがあったとのお話しをされていました。

 

この深い気づきというのが、今回のコラムのポイントになります。

 

誰だって、商品を開発し、売り込む際に、「顧客」のことを全く考えずに取り組む人は、皆無だと思います。

 

こんなニーズがあるだろう

こんなことに困っているから、こんな商品があったら良いだろう

 

世の中にある商品を見渡し

競合商品をつぶさに洞察し

 

こんな機能、あんな機能を付け加えれば「差別化」ができるはずだ! と思いを馳せて商品開発に取り組んだものの、営業現場では意外にも苦戦。

 

そんなケースは、決して珍しいことではなく、どこそこで起きている世の中の現実です。

 

 

冒頭の社長も過去を振り返っていましたが、差別化に意識が行き過ぎると、いつの間にか「顧客」を見失っていることが往々にしてあるのです。

 

そもそも、本来的な差別化とは、「顧客が得られる価値」の結果のはずです。

 

ところが、差別化しなくては売れない顧客ではなく、自社が勝つことばかりに意識が向くと、顧客の価値から少しずつズレた機能や性能を追求し始めるようになってしまいます。

 

いつの間にか、顧客が必要としていない商品に仕立て上がっしまうわけです。

 

これを上市しても、売れっこありません。

営業現場が疲弊するだけです。

至急、顧客が必要とするであろう価値に徹底フォーカスして、商品のあり方を修正する必要があります。

 

冒頭の同社もこれに気づかれ、事業に対する姿勢と商品そのものを改善した結果、トップシェアに昇格していきました。

 

ただし、商品のあり方だけ見直しても、売り方も顧客起点でないと上手くはきません。

 

新商品が売れないケースは、どちらかという売り方をミスっている方が多いのではないでしょうか。

 

その根本原因の一つをお伝えしたいと思います。

 

差別化を施した商品の企画から開発まで、それなりの年月をかけてみ出した新商品。

一筋縄ではいかないケースも多く、多くの場合はみの苦しみを味わいながら、上市にこぎ着けるはずです。

 

だから、出来上がった新商品は我が子のように可愛い!

 

しかし、これがバイアスとなり、販売不振の元凶となることが往々にしてあります。

 

その理由は「恋は盲目」の状態に似ています。

 

 

なぜ、恋は盲目になるのか?

これを研究した神経科医のチームがいました。

 

好意を抱いている相手の写真を見せた被験者の脳の動きをMRIで調べたのです。

すると、批判や疑いがあるときに活性化する脳の機能が停止していたそうです。

 

無条件に受け入れてしまえば、正しい判断ができるはずがありません。

 

恋は盲目…という概念は、科学的に立証されていたのです。

 

 

我が子のように可愛い新商品も、このロジックが働いている可能性は否めません。

 

自社商品に対する「批判」や「疑い」を受け入れることが出来ず、ときには「買わない客の方がおかしい!」と逆ギレ状態になってしまうケースすらあるのを時々お見受けします。

 

こうなっては、もはや売上拡大は厳しくなります。

 

当たり前のことですが、「顧客が見えなくなっている」からです。

 

 

売れないセールスマンは、自分の知っている知識をこれぞとばかりにしゃべりまくります。

 

売れないと、商品のせいにしたり、価格のせいにしたり、最悪は、相手(見込み客)のせいにしたりします。

 

これと一緒のことが、新商品開発プロジェクトのメンバーに共有されてしまっていることがあるのです。

 

これを打破するには、まず顧客を起点にして、我が社が開発した「差別的優位性」を見直す必要があります。

 

批判や疑いがあるときに活性化する脳が停止している可能性がありますから、意識をして、「すべては顧客の感じる価値が正しい」と現実から直視することがポイントになるでしょう。

 

具体的に差別的優位性をどう見せていくのか?

 

長くなってしまうので、続きは、GW明けの57日(火)に書きたいと思います。

 

 

 

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