とことん「本質追求」コラム第454話 小資本・短期間・高収益を目指す新規事業の進め方

 

 

「新商品の開発ですが、3ヶ月後には販売開始ができそうです。そろそろECサイトの立ち上げに着手するので”商品ラインナップ”を揃えないといけないですね。どんな商品構成にしたら良いでしょうか」

 

半年間かけて、”売れる商品企画”のお手伝いをしていた社長から受けたご質問。

 

なるほど、これまで「BtoB」の事業しかご経験がないため、一般顧客を対象にしようとするとどうしても「お店」をイメージしてしまうのでしょう。

 

社長がよくご覧になるサイトも、楽天などのショッピングモールであったり、ZOZO townなどのセレクトショップなのでしょう。

商品ラインナップがないと、商売が成り立たないのでは?と感じてしまうのも、無理はありません。

 

しかし、そもそも論として、小資本・短期間・高収益を目指したプロジェクト。

そんな大掛かりな「お店オープン」を藤冨がイメージするはずもありません。

 

即座に「今作っている商品しか売りませんよ」と藤冨がお答えすると、今度は社長がビックリ。

 

おそらくランディングページ(LP)をじっくりと見たことがないのでしょう。

まさか、1商品だけを販売するとは思っても見なかったそうです。

 

お互いの認識のギャップに、お互いがビックリしてしまいました。

 

LPとは、様々な定義がある様ですが、藤冨が定義するLPとは、「単品販売を行う集客・販売サイト」を指しています。

 

単品と言っても、サイズ違いや色違いはOKです。

しかし、グラスも売って、お皿も売って…などの関連商品を一つのホームページで売る様な仕様の時は、LPとは言いません。

 

一品を売るために、一つのホームページを作り上げることを藤冨はLPと定義しています。

 

このLPで、爆発的に売上をあげているサイトは、実はトップセールスマンとの共通要素があります。

 

その共通要素は、「ある商品を徹底して売り込む」ことに意識を集中させていること。

閲覧者が、一旦そのページにたどり着いたら、買うか、買わないかの二者択一を迫る勢いでサイトが作り込まれています。

 

会社案内にリンクする余計なボタンなどは一切ありません。

 

商店街の一番奥に美味しいお店があっても、途中で焼き鳥のいい匂いを嗅いだり、寒さ堪える中で体の芯からあったまりそうなおでん屋さんを見つけたら、ついついフラッと寄り道してしまうのが人間心理というもの。

 

だから、閲覧者が余計な寄り道をしない様に一度その路地に入ったら、一番奥の店までたどり着くか、途中で帰るか、を大胆に選択させることがLPを作り上げる上で大切。

 

逆にいうと、購入ボタンまでたどり着く様に、魅力的に誘導することだけに神経を研ぎ澄ませるのが、「売れるLP(ホームページ)」を作る上で必要不可欠なマインドセットなのです。

 

もちろん、最初の構想で、すぐに結果が出ることは稀です。

最初の1ヶ月は、10万円。

翌月、改善をして、30万円。

さらに、その翌月に改善をして100万円。

さらに、さらに、その翌月に改善して300万円…。

 

この改善活動を続けることで、ヒット商品へと昇華させていくことができるのが、LPを使った販売戦略の最大の魅力でもあります。

 

小資本で、少しづつでも短期間に目に見える成果を出し、さらにそれを磨き上げて高収益事業に育てるのは、このLPによる販売戦略が最も効果的。(商品によって向き不向きがあります)

 

逆に商品ラインナップの魅力でショップに魅了を持たせ、結果をつなげていくのは、その道の経験者でなければ至難の技です。

 

なぜなら…

 

どうして、売上が伸びないのか?

なぜ、売上が伸び始めたのか?

 

複数商品が存在するホームページだと、その理由分析が、極めて不明瞭だからです。

 

 

反面、LPは販売の成否を分ける要素が極めてシンプル。

 

・ホームページの滞在時間が短ければ、キャッチコピーや文書の綴方(営業トークの組み立て方)に問題があり…

・申込ボタンを押しているのに、購入者が少なければ、購入不安要素の払拭ができていなかったり…

・返品率が高ければ、期待値と実際の使用感のギャップを埋めなければいけなかったり…

 

と、数カ所のチェックポイントを定点観測していけば、必ず閲覧者の「心理」が透けて見える様になってきます。

 

メーカーが、背水の陣を期して、新規事業、新商品を企画し販売する際、この顧客心理を見透かす「仮説ー検証プロセス」がなければ、自社の販売ノウハウの蓄積に繋がりません。

 

いえ、販売ノウハウどころではありません。

売れる商品を企画するメーカー力のノウハウも蓄積されないのです。

 

そもそも、藤冨が関与している「新商品企画プロジェクト」は、このノウハウ蓄積を意識して進めています。

 

良い商品が売れるのでなく、売れる商品が良い商品。

だからこそ「売り」から事業構想を組み立てていくわけです。

 

誰のための何のための商品なのか。

 

その時、どの様なセールストークを組み立てば、その「誰か」は魅了され購買意欲に火がつくのか。

 

どの様に背中を押せば、気持ちよく購入を決断してくれるのか。

 

その販売時点からのトータルイメージが軸となった「商品企画」であれば、「販売戦略」は、当然ながら自動的に決定されていきます。

 

つまり、LPの作り込みしかり、営業部隊への落とし込みしかり、「誰のための何のための商品か?」を読み違えていない限り、大きく外れることはなく、仮説―検証を繰り返すことで売上は伸長し、事業へと成長させることができる様になるのです。

 

 

机上の空論ではない事業構想…。

 

御社も「販売時点」から事業構想を描いていますか?