とことん「本質追求」コラム第80話 不退転の決意こそ「事業」を動かす原動力

「新規事業が立ち上がらなくて困っている。前から何をやってもヒットしなくて…」

先日、セミナーにご参加された社長からご相談を頂いたときのこと。

印刷業を営んでいるそうですが、ご存知の通り「印刷業」は大変な斜陽産業。

今までの延長線上では立ち行かず、この7?8年考えられる事業や手のつけられそうな事業は貪欲にチャレンジしてきたそうですが…

 

どれもこれも撃沈。

もう何をやってよいのか分からなくなってきた…という状況に追い込まれていました。

私が自己紹介のときに「フリーペーパー事業」に携わったことがある…という話にピントがあったらしく

その社長も数年前にフリーペーパーを創刊。

ところが広告主がほとんど集まらず3ヶ月で廃刊。

その後、「ミネラルウォーターのFCに参画するも営業マンが全く売ってこず…既存の顧客に売れるかと思ったが、逆に怪しまれる始末…」

ならば…と、本業が食われている元凶である「ホームページ制作」の営業を仕掛けてみるものの、これも全く歯が立たず。

何をやっても事業として成立する目処さえ見えない…と言った感じでした。

そこで何をやったら良いのでしょうか?とストレートに聞いてこられたのですが、当然ながら5分、10分で回答できるほどの軽い話ではありません。

後日、お時間をとってお話しましょう…という事になり、日曜日に上京して頂きホテルのラウンジで膝をつけ合わせてじっくりとお話を伺うことになったのです。(本コラムを執筆する了解は頂いております)

どうも実務経験の少ないコンサルタントと付き合っていたらしくアンゾフの成長戦略を持ち出して、既存顧客に新商品を売るように…と指導を受けていたとの事。

さらに、テストが大事です…という本当のようなウソの話を持ちかけられ、事業に参入しては、お宅では難しいかも…と告げられ、撤退を繰り返してきたようです。

もう新しく投下する資本もなく、銀行にも泣きつけない状態になってしまったそうです。

それでも私には何故か希望の光が見えました。

確かに大変な状態であることは間違いないのでしょうが、社長の目力が半端ではないのです。

そこで、こうご助言させて頂きました。

「何が売れるか、何が儲かるか、…という発想をまずは捨ててください。そして自社の技術やノウハウが活きる範囲で”今の世の中は可笑しい!間違っている!本来はこうあるべきだ!」と、憤りを感じるような事業分野を見つけ出してみて下さい。とお伝えしたのです。

怒りこそ、あきらめない執着心が生まれるためです。

確かにテストは重要です。

しかし、それは事業の参入・撤退などの経営レベルでは御法度です。

DMやホームページ、さらには営業マンが成果をあげるためのテストなら価値はありますが、事業参入に関してはテストという言葉で逃げられる状態をつくっては絶対にいけません。

事業の正否は執念に比例するからです。

「絶対に成功する…」という執念が「売れる知恵」を生み出し、組織に不退転の決意をもたらすものです。

社長も「はっ」と気づかれましたが、「出来るかどうか試してみよう」という程度の新規事業で社員が本気になるはずもありません。 

もう逃げられない…という状態。

窮鼠猫を噛む…という状態こそ、まさにチャンスを生み出します。

具体的なアイディアは、まだまだこれからですが、背水の陣にある今こそ、復活の起点となることでしょう。