とことん「本質追求」コラム第543話 成功者固有の勝ちパターンとは?

「3年間、1個も売れなかった新商品が動き出しそうです」

そりゃ売れないでしょ…と半ば諦めていた新規事業が急展開し始めていました。

・既存事業とのシナジーが働かないこと
・そもそも営業活動をする時間が限られていること
・3年間売れなかった原因分析ができておらず、全てにおいてズレまくっていること

先月のコンサルティングでは、売れない理由をズバリ指摘したためか、社長も一念発起。
1ヶ月間、怒涛の活動をされた様子がヒシヒシと伝わってきました。

同社商品は、家で遺骨を保管する際の墓石。

お墓や納骨堂に納骨する以外に、散骨したり、アクセサリーにしたり、と遺骨の取り扱い方法の多様化に対応した商品。

正直、個人的には全くそんな価値観を持っていないので、ピンとこなかったのですが…
ネットで検索すると、競合もかなり存在していました。

本来であれば、「リスティング 広告」から24時間365日休まず働くセールスマンと化した「ランディングページ 」に誘導し、直販の売上をあげたいところですが…

差別的優位性が乏しく、かつ本業との兼ね合いで、ネットマーケティングを探求する時間の捻出が困難。

したがって、販売代理店、アフィリエイターなどの販売協力者とのネットワークも構築することにし、火葬場などの事業者をリスト化。

そのリストに対して、販売パートナーになりませんか?と、営業メールをうつことにしたのです。

 

その企画立案から1ヶ月間、社長も相当本気になったのでしょう。

なんと、3年間まったく無反応だったのに、初めて「販売パートナーとの業務提携契約」が締結できた!と意気揚々の報告が聞けたのです。

びっくりしたのは、当初ピックアップしていた火葬場以外の業種からの反応が強かったこと。

見込客は10件以上。

詳しい業種は、同社の競争優位性を確保するために、非公開とさせて頂きますが、よくぞ、ここまで努力をされた… と、嬉しくなってしまいました。

今後は、即業務提携に踏み切った業種の横展開を実施
具体策を提示し、次なるステップへと進んでいくことになりました。

コンサルティングを受けて、成功するクライアントさんには、共通のパターンがあります。

・売れない原因分析を真摯に受け止めること
・提案された売れる方策を「素直」に実践すること
・しかし、受け身でそのまま実践するのではなく、提案された売れる方策を咀嚼(そしゃく)し、+αのアレンジを加えること

この最後の姿勢がとても大切。

藤冨もクライアントさんの業界構造を事前調査することは怠りませんが、それでも外野の人間よりも自分の方が知っている!という自負心を持って、「何くそ!」とアレンジを加える社長は、大抵成功してくれます。

また、同社社長には、成功者固有の勝ちパターンも見えてきました。

成功者固有の勝ちパターンとは…

・自分のビジネスが成功するための「文脈」が見えてくるまで「実行プログラム」を探求すること
・その文脈に必要な要素をもれなく実行する集中力があること
・PDCAを回し続け、実行プログラムの精度を徹底して向上させる執念があること

仕事柄、思うように伸びない事業の活性化支援などを請け負ってきた中、この3つの思考・行動パターンは、成功する社長が漏れなく持っている要素だと確信しています。

具体的に解説していきましょう。
第一の・自分のビジネスが成功するための「文脈」が見えてくるまで「実行プログラム」を探求することは、成功者としてのスタートラインに立つため行動パターンです。

上述の社長も3年間しつこくどうやれば成功するのか?を探求してきました。
他に本業があるが故に、リソースの投入量は限られていましたが、それでもこれまでの軌跡を見聞きすると、お金をかけて立派なカタログを作ったり、商品のデザインをあれこれ変更してみたり…と、諦めずに成功に近づくための「文脈」を探し続けてきました。

しかし、藤冨が常に口を酸っぱくして言い続けている通り、お客様は「商品を購入しているのでない」という大前提に立って、売れていく文脈を創造できなければ、残念ながら骨折り損のクタビレ儲け…で終わってしまいます。
上述の社長は、まさにクタビレ儲け状態だったのです。

しかし、商品を売らないという前提を崩さずに思考すると、売れていく文脈が自然と見えてきます
そして、何を実行すれば良いかが、霧が晴れたように見えてくるのです。

その景色が見られるまで諦めないこと。
これが第一の勝ちパターンとなります。

第二に、その文脈に必要な要素をもれなく実行する集中力を持って取り組むことです。

上述の社長も限られた時間の中で「営業先リストの整備(白地リストの作成)」「リストに対して的確なセールス」を行ったので、光が見えてきました。

もちろん、まだまだやるべきことはあります。

「販売協力者の分母を増やすこと」
「集まった販売協力者に「売りたい」という意識を醸成させること」
「そのモチベーションを維持し続けるための仕組みを作り上げること」
ここまで煮詰めなければ売上には繋がっていきません。

やるべきことを、漏れなく実行することで、成果は着実に上がっていきます。

そして最後に・PDCAを回し続け、実行プログラムの精度を徹底して向上させる執念があることも成功者に欠かせない資質となります。

当初立てた仮説を評価し、さらに成果を高めていくための企画(プランニング)につなげていく…。

「こんなもんじゃない、もっと売上は上がるはずだ!」と執念深く貪欲に成長の可能性を突き詰めていく社長は、間違いなく伸びています。

冒頭の社長も、この3つの要素が急激に芽生えていきました。

1ヶ月後、2ヶ月後が楽しみで仕方ありません。

 

あなたは、成功者固有の勝ちパターンを身につけていますでしょうか?