とことん「本質追求」コラム​​第542話 SNS広告に無駄金を払っていませんか?

 

「製造業の経営者向けにSNS広告の話(講演)をしてほしいのですが、お願いできますか?」 以前にも何度かオファーを頂いたとある団体から、年末最後の講演の依頼が入りました。

嬉しいオファーではありますが…安請け合いはできないので、ご担当の方にずばり申し上げました。

 製造業でSNS広告?

BtoC向けの製造業や、BtoB向けでも中小企業経営者をターゲットにした企業なら、SNS広告は効果的ですが…

「御社の会員さんを眺めると、ほとんど効果がないところが多いような気がします。そのあたりをスバリと申し上げて良いのなら、お受け致しますよ」と返答しました。

 伺えば、政府系のオーダーだとか…。
なぜ、どうして、こんな的外れなセミナーが企画されたのか…

 その背景が気になってしかたありません。

 そこで、今回のセミナー依頼をしてくれた団体で、仲良くさせてもらっている別部署のマーケッターの方にその旨を話すと…。 

製造業向けにSNS広告?あり得ないオーダーですね、汗。
と、藤冨と同意見。

 『なぜ、こんなセミナーが企画されたんですかね?』と背景を聞くと…

 『売上を上げるため…と思っているのでしょうが…的外れもいいところ。藤冨さんに依頼したから良かったものの、SNS広告のプロに講師依頼をかけたら、悲劇でしたよ。ポジショントークを真に受けた受講者の人達が、また的外れな行動をするところでした』

 と、これまた全く同意見で強く共感し合いました。


我々が、上記団体の会員さんである「製造業」において、なぜSNS広告は、なぜ効果的でないのか、その理由を解説したいと思います。

広告を打ちたい企業が、売上に繋がるか否かを判断していくには、2つの観点から考察する必要があります。

 一つは、媒体に接触している場面
二つ目は、属性との相性

この2つです。

 1つ目の媒体に接触している場面を想像してみましょう。

SNS広告の代表的な出稿先は、「Facebook」や「Twitter」「Instagram」などです。

Facebookは、「誰が」「どのような時間帯に(いつ)」「どのような利用目的」で、アクセスしているでしょうか?

Twitterは?
Instagramは?

 銅とチタンの溶接で困っている「研究開発部門の人」が、その解決手段を探すとき、SNSのような「媒体」にアクセスするでしょうか?

 室温が変化する環境の中で、60%の湿度を安定的に作り出す環境を作り出したい「品質管理部門の人」がSNSのような媒体にアクセスするでしょうか?

 もちろん、研究開発の人も、品質管理部門の人も、通勤時間や余暇時間にSNSで遊んでいる時もあるでしょう。

しかし、脳みそがプライベートモードになっているときに、たまたま自らの課題にマッチした広告がタイムラインに流れる確率を狙って、広告を打つことが、果たして効果的なアプローチか否か…

想像力豊かに、イメージすれば「そりゃ、ないか…」と思う人が大半なはずです。

具体的に想像してみましょう。

Facebookで友達の投稿をみて楽しんでいる時に、「あれ、この広告って、今の仕事の課題解決につながるかも???」と余暇時間を放棄して、仕事モードに切り替えるサラリーマンが、どの程度存在するのでしょうか?

また、別の角度から想像してみましょう。 

もし、部下が仕事中に「Facebook」や「Twitter」「Instagram」を見ていたら、どう思いますか?

大多数の人は、「遊んでじゃねーよ!」と憤りを感じるはずです。

このように、売上につなげるための広告を出すときには、その媒体に「誰が」「どのような時間帯に(いつ)」「どのような利用目的」で、アクセスしているのか…

 この「問い」を深掘りしていくことが、大切なのです。

そういった観点で、上述の事例を再考すると、効果的な媒体も見えてきます。

これが、2つ目「属性との相性」の考察です。

例えば、銅とチタンの溶接で困っている「研究開発部門の人」が、その解決手段を探すとき、どんな行動をするでしょうか?

 室温が変化しやすい環境で、一定の湿度を保てず困っている人が、どんな行動をするでしょうか?

上司に聞く?
大学時代の友人に聞く?
他の研究開発部門の人に聞く?

それもあるでしょうが、同時にgoogle先生に聞いたり、yahooの検索窓に「知りたいこと」を入力する人が、大多数なはずです。

となると、googleやyahooのリスティング 広告や動画広告(YouTube広告)に出稿することが、効果的かも!と想像がつくはずです。
(注:最近は、動画で課題解決を検索するビジネスユーザーが増えています)

ターゲットと媒体の親和性は、広告を出稿しようとするときに、最も意識を向けなければいけないポイントです。

SNS広告の営業マンや、SNSを得意とする広告代理店は、このような本質的な「問い」を投げかけてはきません。

そんな真摯な問いを投げかけたら、自らの営業生産性を落とすことにつながるからです。

 従って「今の時代、誰でもSNSをやっています。広告はやってみたいと分かりませんよ!」と無責任なセールス・トークで畳み掛けてくる営業マンが大半です。

 クライアント側も、「まぁみんながやっているから、とりあえずやってみるか?」と安易に応じてしまう。

別に数万円程度なら、勉強代だと思えば良いのですが…

本質的な問題は「顧客目線に立った購買行動」を想像できないままビジネスを展開する危うさに、気づく必要があるのではないでしょうか?

 

売上を増大させるには、顧客目線に立った「購買行動」から逆算して、「見込客の集客」を決定していく必要があります。

その上で、広告出稿が本当に最適なのか?

広告が最適だとするなら、どのような媒体が適切なのか?

全てを逆算していく必要があります

 御社は、顧客目線に立った「見込客の集客」活動を深掘りしていますでしょうか?