とことん「本質追求」コラム第575話 3つのファクトを突き詰めると、売上は伸びる!

本日のコラムは、ライティング のテイストを変えてお届けします。

と、言うのも現在、Amazonからダイレクト出版を計画し執筆活動をしていますが、その中で非常に重要な「気づき」を得られたからです。
執筆活動は、読者目線を織り込むために、プロフェッショナルの「壁打ち役」を雇い、共同作業で進めています。

「壁打ち」とは、壁役のプロに、自分のやりたいこと、伝えたいことを話して、自身の考えを整理したり、自分では認識できない重要な視点を第三者から浮き彫りにするために行います。
聞き手である壁役にも、同等の教養が必要なので、そうそう簡単には適切な人材は見つかりません。

でも、今回はラッキー!
藤冨のメッセージを”読み手の利益”に、見事変換してくれる切り口が見つかりました。

ブレイクスルーのキッカケは「なぜ、売れない商品が、藤冨の手にかかると売れるようになるのか?」というシンプルな問いに、私自身が一言で答えることが出来なかったこと。

もちろん、様々なケースがあるので、一言でいうのは難しいのです。

それでも、読み手には、短く端的な言葉でないと伝わらないのも現実。

どうやったら、短く端的な言葉で伝えることができるか…と、壁打ちをしていたら、ふと「共通点」に気づいたのです。

それは思うように売れない…と相談されるケースは、ファクト(事実)を突き詰めていない…という現実でした。

そして、藤冨がその相談を受け、売れるための突破口を探るために、何をしていたか?と言うと、そのファクトを徹底して突き詰めることに神経を集中させていたのです。

これは、めちゃくちゃ重要なポイントです。

具体的に掘り下げて、理解を深めていきましょう。

商品が売れる”はじめの一歩”は、「お客様が、その商品をどのように認知しているのか」というファクトがスタートになります。

「かっこいい」と思ったのか。
「いままでの問題が一気に解決される!」と喜んだのか?
「今までにない満足が得られそう!」と驚いたのか?

どのような感情の動きがあったのか…そのファクトを突き詰める必要があります。

そう、実際の顧客になりえそうな人たちに、見せたり・聞いたりしながら、ファクト(事実)を掌握することで「これなら売れる!というストーリー」が見えてきます。

しかし、売り手が、買い手のファクトを軽視するケースが、意外にも多いのです。

・俺はカッコいいと思っている
・当社商品は、お客様の課題を解決できます!と勝手に解釈してしまっている
・こんな商品が欲しかった!と驚くに違いない!

思い込みで、商品を企画し、販売してしまうのです。

思い込みを排除して、どれだけ顧客の視点でファクト(事実)を突き詰められるか。
これが、商品の売れる・売れないの岐路をわけていることにコンサルティング活動をしていて、気づかされていたのです

また、売れてはいるけど、目標額に全然届かない…というケースもあるファクトを無視してしまっています。

大企業なら、最低10億円の市場規模が必要。
零細企業なら、5000万円も売れてくれたら上等!

などと、会社の規模やプロジェクトのあり方によって、必要売上高は決まります。

藤冨の仕事では、その売上目標に届かず、対策を打たねば!…といった相談事が、舞い込んできます。

こういったお悩みのブレイクスルーも、あるファクトを突き詰めることで解決法がクリアになっていきます。

そのファクトとは…

「商品が認知されたあと、どのような欲求に結びつくのか」
「その欲求が、生まれる状況や背景は何か」

この2つのファクスを明らかにすることで、おおよその売上の分母(市場規模)が浮き彫りになっていきます。(厳密に市場規模を掌握することも可能ですが、莫大な調査費用が必要です)

お客様は、ある商品を購入するときに、自分の置かれた状況、その背景から生まれている問題点の解決、または満足の拡大を求めて商品やサービスを購入します。

したがって、同じような状況に置かれている人たちが多ければ、多いほど、市場規模は大きくなるのです。

事例をもとに掘り下げてみましょう。

最近の暑さのせいでしょうか…「扇風機付きのベスト(洋服)」を着ている人が多くなってきた気がします。

着用者は、建築現場で働く人の作業着が主流だと思われます。

日中、クーラーのない場所で、少しでも快適に仕事がしたい(欲求)
そして、亜熱帯地方かと思えるような今年の異常気象(状況)

「クソ暑い日に屋外で仕事をしている人たちの対策グッズ」というコンテキスト(文脈)で、扇風機付きベストが売れているわけです。

こうやって紐解くと、市場規模は、同じコンテキストを持った人たちの総和であることがわかります。

商品というコンテンツを売りこもうと思考するのではなく…
同じコンテキストを持つ人々の「たまり場」を見つけ、コミュニケートすることで市場規模に沿った売上が確保できるようになるのです。

めちゃくちゃ大事なので、もう少し掘り下げます。

お客様は「扇風機付きベスト」を購入していません。
お客様は「クーラーの効かない場所で、快適に過ごすツール」を購入している…というファクトを見つめるのです。

そう考えると、ベストは着れないけど、快適に過ごすツールは欲しい… という人たちがいることに気づくことができます。

私が気になっているのは、制服族です。

警察官や警備員の人たちは、制服の上に「扇風機付きベスト」を着ることができません。

これも、ファクト(事実)です。

もしかしたら、対策グッズはあるかも知れませんが、もし、多くの制服族が我慢をしていたら…

そこに、制服を着ていても洋服の中に冷風を送り込める商品があったら、制服族にも「身につける扇風機」の市場が広がる可能性が高くなります。

あとは、企画段階で実際に「そんな商品があったら欲しいですか?」と聞くだけ。
購入否定要因に、絶望的な要件がない限り、市場を開拓することはできるでしょう。

ドラッカー氏のいう「市場を創造する」という概念を成功させるためには、こうした「ファクト」に着眼し、焦点を絞っていくことが必要です。

「お客様が、その商品をどのように認知しているのか」というファクト
「その商品は、どのような欲求に結びついたのか」というファクト
「その欲求が、生まれる状況や背景は何か」というファクト

この3つのファクトを明らかにし、的確な提案を市場にコミュニケートしていけば、商品は驚くほど売れるようになります。

新商品・既存商品問わずして…です。

御社は、ファクトを突き詰める努力を惜しまず、思い通りの売上目標に到達できていますでしょうか?