とことん「本質追求」コラム第222話 組織を成長させる「社員との関わり方」

 

 

「社員に優しい会社が支持される世の中ですが、私には抵抗感があるんですよ…」

 

先日、クライアント企業さんとの会話で、問題提起されたテーマなのですが…

1社だけではなく、なんと先週1週間で3社の企業で類似概念の課題が浮き彫りになっていました。

 

以前から、シンクロする出来事が多かったのですが、きっと藤冨自身のなかで、問題を整理してお伝えする必要性に駆られたときに、シンクロするのだと最近気がつきました。

 

1社目で違和感を覚え、2社目は憤りを覚え、3社目になると、事実を受け入れた上で対処を考えていた自分に気がついたからです。

 

今日のコラムは、かなり辛辣な考えを述べていきますので、サラリーマン根性バリバリの人は読まない方がよいと思います。

 

経営者および成長意欲の高い人のみ読み進めてください。

 

そもそも、持論としては「厳しさのなかでしか人は成長しない」と確信をもっています。

 

筋肉だって、破壊されて再生するときに「強く」なりますし、勉強だって、繰り返し・繰り返し退屈な反復学習をすることで「デキる」ようになります。

 

成長するには、自己否定(破壊)と退屈な反復を自ら強いる「忍耐」がなければなりません。

 

忍耐がなくても、成功している人や企業はいくらでもいるよ。

と反論を受けそうですが、世の中をよく見渡してみてください。

そういう人に限ってムダな波瀾万丈を強いられていることに気づかされるハズです。

 

万丈なら良いのですが、沈んだまま浮上しない人や企業も山ほど存在します。

 

だからこそ、どのような状況に追い込まれても「浮上」していく精神力や体力、知恵や発想力を身につけることが大切ですし、そこまで自ら(自社)を成長させていくことに、厳しくコミットすることが大事だと思うのです。

 

しかし、以前より「下手な鉄砲は数を打っても当たらない」と、営業マンの試行錯誤を否定してきた経緯もあり「藤冨は厳しい環境に身を置かせることに否定的なのでは?」と感じられている方もいらっしゃるようです。

 

ズバリご回答しますが、それは全く逆です。

私は、能力のない人、適性のない人にいくら努力をさせてもムダだと申し上げているだけです。

 

深い内面から人見知りの人に、飛び込み営業を強いたところで、どれだけ鍛錬しても結果を残すことはできません。

 

気弱な人に、ハードな交渉やクロージングが必要となる商談が必要となる営業現場で、継続的に成果を出し続けさせることは、不可能に近いことです。

 

ワニに腕立てをさせたり、亀に腹筋をさせるような指示は、「暴力」以外の何者でもありません。

 

だからこそ、適性に依存する「仕事」は、システマチックにこなす「仕組み」をつくり、そこから適性に依存しない「仕事」をできる限り創出して、ワーカーとしての営業マンが責任をもってあたるような体制をつくることが大切だと強く思っているのです。

 

 

 

但し、だからといってワーカーとしての営業マンも、ただ作業者になるだけでは「その企業の組織人」にはなれない…と強く認識させるべきだとも思っています。

 

仕事のなかで、どうすればもっと効率的になるのか。どうすればより良い結果が出るのか、を考え続け、改善させる努力を強いることは大切です。

 

売上を最終的につくりだすのは、仕組みではなく「人」だからです。
「人」が成長しなければ、「組織」も成長しません。

「仕組み」は、あくまでも「人」の補助する道具であり、成長街道を走るためのツールでしかないのです。

 

だからこそ、自社のあるべき姿、存在意義、目標など会社が決めた基準に対して、合わせて行こう・達成させて行こうという気概と努力を持ち続けない人は、会社にとっては邪魔者だと認識させる風土をつくるべきだと私は考えています。

 

カヌーのレースで、同じ目標に向かって全員が同じ力とリズムでオールを漕いでいるのに、一人だけ手を抜いたり、リズムを崩したら、船はまっすぐに進んでいきません。

 

ムダなロスにより、全体のスピードを失速させてしまいます。

 

20年以上まえに上梓され大ベストセラーとなった「ビジョナリーカンパニー(永続する、真に卓越した企業の条件を研究した著書)」でも、成功している企業は、「自社の厳しい基準に合わない社員や合わせようとしない社員が働ける余地が少ない環境・雰囲気を作っている」と研究成果を発表しています。

 

だれにとっても働きやすく良い職場ではなく、その企業の考え方を心から信じて献身的になれるものは、本当に気持ち良く働けるし、成果をあげることも出来ている…とも分析していました。

 

私は、会社のあるべき姿や存在意義、目標などを深く理解しようとしない社員は、怠慢だと思っています。

 

ブラックと言われようが、パワハラと言われようが、真面目に働いている、または働こうと努力をしている人達がバカをみないよう、怠慢人間は厳しく問いただすことが大事だと考えています。

 

 

但し、その前に…

経営者や上司は、亀に腹筋を強いてないか? ワニに腕立てを強いていないか?

深く洞察した答えをもって、発言しなくてはならないでしょう。

 

亀に腹筋を強いれば、ブラックやパワハラだと社会からも断罪を強いられてしまうからです。

 

今後、御社では社員とどのように接していきますか?