とことん「本質追求」コラム第335話 顧客目線を追求すると売れ出す理由。

 

 

 

「頭では分かっているつもりでも、出来なければ、分からないのと一緒ですよね?」

 

先週のコラムでは、顧客接点の重要性をお伝えしましたが、藤冨とのプロジェクトで、ターゲット選定、波及トリガー(引き金)の開発、商品の見せ方、時には商品の改良まで真剣に取り組んだ企業は、見込客が潤沢に集まる仕組みが構築できているケースが大半です。

 

 

成功したプロジェクトの共通点は、振り返ってみると、とてもシンプル。

一言で言うと、顧客目線が全ての事業活動で貫き通されています。

商品開発から、販売戦略まで一気通貫。顧客目線でキレイに整備された時には、成功すべくして成功しているようです。

逆に、うまくいかないケースは、この顧客目線が煮詰められていない時。

または企業の傲慢で顧客目線が無視された時です。

 

顧客目線という単語は使い古され、誰でも「そんな事は分かっている」と言います。

しかし、実際に藤冨とプロジェクトを組むと大半の人は頭を抱えます。

 

  • お客様はエアコンを買っているのではありません。お客様は快適な住空間、仕事環境の場を買っているのではないですか?

 

  • お客様は、お菓子を買っているのではありません。午後の至福のひと時を過ごすための「ツール(お菓子)」を買っているのではないですか?

 

  • お客様は、産業機械を買っているのではありません。新しい仕事を受注するための「道具」を買っているのではないですか?

 

と、時には禅問答のように繰り返し、「お客様はいったい何を買っているのか?」をしつこく追求していきます。

お客様視点になる思考のフレームワークを提供し、様々なケースを提示して、追求していくのですが、実際のコンサルティング現場では、自分ごとになると、どうしても「モノ」レベルで考えてしまう。

 

冒頭に「頭では分かっているつもりでも、出来なければ、分からないのと一緒ですよね?」とおっしゃった方は、実に3ヶ月もかかって、自社商品が売れている「真の理由」つまり顧客目線での購入理由が分かり、それをホームページ、カタログ、提案書など全ての顧客接点にキーワードを埋め込んだところ、びっくりするくらい売上が伸び始めていきました。

 

営業マンの意識も変わったそうで、頭では分かっていたことだけど、強く意識してみると、お客様が食いつくようになって、どんどん悩みが聞けるようになった…と、その変化を実感しているとのこと。

 

人間は、自分のことを分かってくれそうな人に自己開示をします。

 

人間は、自分の経験の中にある概念や言葉しか理解できにくい脳の構造になっています。

(特に、情報に対して受け身の場合は、理解しようとすらしません)

 

そして、多くの人間は、自分のことに最も興味・関心を抱く動物だと再認識する必要があります。

 

 

こういった人間の持つ特性を理解すれば、顧客目線でビジネスを組み立てる場合と、そうでない場合の成功確率に大きな差が出るのは、当然のように感じるはずです。

 

 

ビジネスにおいては、行動力が何よりも大事です。

しかし、行動する前の「顧客を想う時間」も、同等、いえそれ以上に大事です。

 

 

「顧客を想う時間」は、数時間かも知れませんし、数ヶ月に渡るかも知れません。

 

でも、その準備の時間は、決して浪費時間ではありません。

 

  • 準備にかける時間がしっかりと取れると、成功させたいという信念が生まれてくるようになります。

 

結果、

 

  • 非顧客の琴線に触れる言葉が見つかり、見込客が潤沢に集まるようになる可能性が高まります。

 

  • 営業を受けた見込客に「私のことを分かってくれている」と感じてもらえ、商談の確度が上がっていく可能性が高まります。

 

商売が「価値」と「貨幣」の交換作業である以上、言ってしまえば当たり前ですが、これを徹底させるとなると、なかなかどうして一筋縄ではいきません。

 

御社では、事業のあり方、モノの売り方の全てにおいて、顧客目線の徹底化は図られていますでしょうか?