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第386話 次なるステージを目指す社長のリーダーシップの取り方

 

 

 

「3ヶ月前に入社した営業から、営業計画書を提出してもらいました。面接時に提示した会社の目標が全然反映されていないのですが、どう指摘すれば良いでしょうか?」

 

これまで、お一人で営業活動をしてこられた生産財メーカーの社長さんから久しぶりの連絡が入りました。

 

業績が右肩上がりになってきた“このタイミンング”で会社を次のステージに持っていきたいと、設立以来、初めて営業マンを雇われたそうです。

 

社長ご自身、技術畑を歩まれてきた方なので営業マンの取り扱いには不慣れ。

どう成果を上げてもらうか試行錯誤する中、彼が現状をどう捉えているのかを知りたくなりました。

そこで、営業計画書を書いてもらったところ…

 

嫌な予感が的中し、会社が進もうとしているベクトルを理解できていなかったことが判明したそうです。

 

ガッカリして、どうすべきか思案する中のメール相談でした。

 

藤冨がメールを受け取ったその晩、内情をもう少し詳しく知りたいので、電話を掛けてみると…今度はコチラがビックリ。

もうすでに社長の中では、答えを出しているではありませんか。

なにやら、藤冨にメールを送った瞬間に「藤冨さんなら、こう言うに違いない…」とハタと気がついたとのことでした。

 

「営業計画書を見たけど、会社の目標値には届かないと思うよ。もう一度練り直してみて!」と、営業マンに伝えようと思っていたところだったそうです。

 

これは、完璧な回答です。

 

営業マンの書いた営業計画書もメールでもらっていましたが、決して的外れなプランではありませんでした。

ただ、ある種アタリマエではありますが、ハタから見ても「自分の殻を破り切れていない計画」だと言わざるを得ません。

 

なぜ、アタリマエなのか。

これは、社員の立場から眺めれば理解できます。

 

そもそも、中小企業で働く多くの社員は「現場を最適化すること」を命題として働いています。

 

  • 仕事に慣れ、独り立ちできるようになる。
  • 商談で完璧に立ち振る舞えるようになる。

 

 

少し進歩すると…

 

  • 今月の目標を達成させる。
  • 来月までに次のクォーター計画の数字をまとめる。

 

などなど、現場を最適化させるのが「仕事の目的」となって働きます。

 

成長産業であれば、これでも問題ありません。

現場を最適化すること=事業を最適化することに繋がり易いためです。

 

ところが、市場が横ばい又は斜陽化している事業の場合、現場最適=全体最適とはなりません。

 

逆です。

市場に対して、自社を最適化させるためには、現場がどうあるべきかを決定する必要があるわけです。

 

つまり、全体最適→部分最適の構図を断行する必要があるのです。

 

このような意見を声高々に言うと、時々反発を受けることがあります。

 

 

  • 民主主義に反する。
  • 今の時代は社員の意見を大事にする必要がある。
  • 働いているのは現場。彼らに任せるべきである。

 

 

などなどの意見です。

 

しかし、今一度改めて言いますが、市場が成長しているのであれば、現場主導でも構いません。

そもそも、未開拓な成長市場に事業を集中している経営者にセンスがあるわけです。

 

現場に任せるだけの余裕があるでしょうし、「何が起きているか?」は直感でわかっているはずです。

 

ところが、成長市場でない場合…

考えを改める必要があります。

 

 

どうやったら、売上を伸ばし続けられるか?

生き残るためには、何をすべきか?

 

「生存の条件」を打ち立てることができるのは社長しかいないはずです。

 

その経営者が考えた生存の条件と、現場の思考・行動に「差異」があった場合、強いリーダーシップを発揮する必要があることは、至極当然のことではないでしょうか?

 

仮に強烈に引っ張ることができなくとも、現場に考えを改めてもらう機会を作る必要があります。

 

いずれにせよ、生存の条件現場の思考と行動を合致させていく作業が必要になることは避けては通れません。

 

誤解してほしくないのは、経営者は独善者であれ!ということではありません。

 

現場の声は、とても貴重です。

現場こそ、顧客接点に一番近い人々が真実に直面しているからです。

 

ただし、冒頭にもお伝えした通り、現場は「部分最適」に陥りがちです。

 

部分最適は結果が見えやすく、評価を得やすいものです。

これが、社員を部分最適に陥らせる最も大きな理由です。

 

評価されなければ、給与が上がらないことを知っているのは、社員自身です。

給与が上がらないのならまだしも、組織での居場所がなくなるリスクすらはらんでいるわけです。

 

そんな危険な行為を誰が好んでするでしょうか?

 

ほぼ皆無だと考える方が健全です。

 

 

そう考えると、目の前の達成しやすい目標を掲げ、それを達成して承認・評価されたい!というのは、ある種、当然のことだと理解できると思います。

 

冒頭の「会社の方針とは食い違うような営業計画書」を提出した営業マンは、これまでの経験の中で、今自分自身が会社に貢献できることを一生懸命考えていました。

 

会社に貢献しようとするその姿勢、とても素晴らしいことです。

 

しかし、経営者としては、その姿勢と会社の方針が食い違っていたら、強いリーダーシップを取る必要があります。

 

  • 会社を次なるステージに成長させたい。
  • 今の業績推移を抜本的に改革したい。
  • 過去の延長線上の成長と決別して、新たなフロンティアを開拓したい。

 

様々な目標を経営者が打ち立てた時、社員との心の乖離が生まれたケースをこれまで何度も見てきました。

 

今の時代、強いリーダーシップが取りにくい社会的風潮がありますが、そんな時こそ、断固とした決意が必要になるのではないでしょうか。

 

難しい時代というのは、大きな環境変化が起きている時です。


大きな環境変化が起きている時は、これまでの常識を脱ぎ去る必要がある時です。


常識を脱ぎ去り、多数派の思考・行動に流されることなく、自分の信じた道を断固として進むべき時です。

 

 

「第382話 生存者(生存社)の条件」をお読みになった方でしたら、ピンと来られると思います。

 

 

今、御社の置かれた環境は、20年前と比較して大きな変化は起きていますでしょうか?

これから10年、今のままの状態が続くでしょうか?

 

 

 

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