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第387話 強みは顧客が知っている。弱みは非顧客が知っている。

 

 

 

「たった1日で、当社の強みが分かるなんて…。 今まで何をやっていたのですかね」

 

先週から売上拡大プロジェクトがスタートした新規のクライアントさんの第一声です。

 

何やら、先々月まで、別なコンサルタントが入って、何ヶ月もかけて社内でのディスカッションを通じて「強みを見つけるように…」と指導を受けていたようです。

しかし、なかなか「これ!」というものが見つからずに終了してしまったとのこと。

 

「我々には、強みがないのか」と落胆していたところに、知り合いの社長から「藤冨さんに相談してみたら?」と言われたそうです。

 

またコンサルタントか…と半信半疑だったようですが、勇気を振り絞って電話をかけてくれたとのこと。

 

電話で伺ったのは、「商品の概要」と「購入先」そして「購入先の購入理由」の3つのみでした。

5分ほどの電話で、すぐに方針をお伝えしました。

 

A社(購入先)に、私が取材に行きましょう!と。

 

正直言って、この時点で「イケる!」と感じました。

なぜならA社は、業界にいる人なら誰でも知っている超優良企業だったからです。

 

波及営業の武器は、「顧客の導入実績」

A社の協力が得られれば、確実に売上を上げる起爆剤になるはずです。

 

3日後、藤冨の携帯が鳴り「A社が快諾してくれアポが取れた」とのこと。

 

早速出向いて、次の売上に繋がるネタを拾い集めることにしました。

 

  • 商品を購入した背景
  • 購入前に期待していたこと
  • 購入後に実感できたメリット
  • 購入決定時点での比較検討状況

 

などなど、顧客の購買心理プロセスに基づいて「購入意欲に火をつけるネタ」を探っていると、競合他社との明確な違いが浮き彫りになりました。

 

A社によると、様々な代替案を検討したが、投資回収、生産性向上、導入の簡便性など、様々な検討事項において全て優位性があったと語ってくれたのです。

 

思わず笑みがこぼれました。

 

ターゲットと利用方法を限定すれば、独占市場が築ける潜在力を秘めていたからです。

 

取材を終えた帰り道、車中で社長が語ってくれました。

 

「もっと早く、A社から話を聞けばよかった…」と。

 

 

4年前に書いたコラム「第164話 「強み」の見つけ方」にも書きましたが、自己を正しく捉えるには、第三者からの目線は欠かせません。

 

アタリマエのことですが、企業が存続、成長するには「売上」が必要です。

その「売上」は、第三者の評価無くして成り立ちません。

自己評価でなく、他社評価の結果が「売上」なのですから、自社商品の良し悪しを判定している「現場」に行けば、たくさんのヒントが転がっているのです。

 

至極当然のことですが、かの有名なP・Fドラッカーでさえ「強みの見つけ方」について間違った情報発信をしているのですから、間違ったアプローチが氾濫しても不思議ではありません。

 

この根拠は「第164話 「強み」の見つけ方」にも記載しました。

ご興味のある方はぜひ、ご覧ください。

 

 

ちなみに、同コラムを読んでくださった某出版社の編集者の方が「この主張は素晴らしいです。書籍にしてみませんか?」と電話をくれたことがあります。

 

その方から、こんな質問を受けました。

 

「ちなみに弱みはどう見つけますか?」と。

 

これも明快な答えがあります。

 

それは、過去、商談がまとまらなかった見込客(失注客)に聞くことです。

 

  • 購入しなかった理由
  • 代わりに買った商品やサービス
  • その代替品を選んだ理由(自社が選ばれなかった理由)

 

を掘り下げることで「弱み」を浮き彫りにすることができます。

 

また、失注客に接触することができないBto C事業の場合などは、非顧客から情報を得る努力が必要となります。

 

ここは、P・Fドラッカーの主張が参考になります。

 

「いかなる事業にあろうとも、責任のある立場の者は、多くの時間を社外に出て過ごさなければならない。ノンカスタマ(非顧客)を知ることは至難の技である。だが、外に出てノンカスタマを知ることだけが、知識の幅を広げる唯一の道である」と。(「ネクスト・ソサエティ」ダイヤモンド社)

 

 

自社の顧客だけを見ていると、自己満足の世界に浸るリスクがあります。

 

得意や強みに溺れていると、いつの間にか「苦しい立場」に追いやられてしまうことがあります。

 

一例をお話ししましょう。

 

25年前の私がサラリーマンの営業マンだった頃、商談先の外食企業の社長さんたちに「中食(コンビニ弁当やデパ地下惣菜)」は脅威ですね。

 

と、話すと多くの経営者に「藤冨くん、何言っているの? 俺たちの料理とコンビニ弁当を一緒にしないでよ」と言われました。

 

当時、有名料理人が監修したコンビニ弁当が大ヒットしたり、手作り料理を売りにした「デパ地下惣菜」の売上が伸長していました。

 

確か4兆円産業くらいだったと記憶しています。

 

比較して外食産業は30兆円。

 

ところが、2018年度の市場規模は25 兆 7,692 億円と、15%程度も市場が縮小してしまっています。

 

外食産業を、食べ物市場として捉えると中食産業が脅威となり、レジャー産業として捉えると格安飛行機(LCC)なども競争相手となります。

コミュニケーションの場として捉えると「スマホ」さえも競争相手となっていると認識しなければなりません。

 

その上で、どう競争相手よりもお客様に喜んでもらえる価値を提供できるのか?を考えている必要があるわけです。

 

このとき、お客様は「なぜ外食の回数が減ったのか」「なぜ行かなくなったのか?」を客観的に説明してくれません。

なぜなら、消費行動の大半は「無意識」だからです。

 

したがって、非顧客からの情報を得るときは、観察が基本になります。

その観察から得られた情報を下敷きにして、購買心理の仮説を立て、そのボールを投げて、感触を高めていくことで、自社の「弱み」を察知することが可能になります。

 

自社の強みは、顧客から知り、弱みは非顧客から知れば、自社の活路が見えてきます。

 

御社は、外に出て自社の活路を見出していますか?

 

 

 

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