とことん「本質追求」コラム第385話 情報氾濫時代のPR法。「出ない杭」は存在しないと一緒。

 

 

 

『あの商品(ヒット商品)私がプロデュースしたのですよ』

 

先日のコンサルEXPOでご一緒した知人コンサルタントが、私の愛用していた商品を手掛けていたことが分かり、ビックリ。

 

非常にユニークな商品で、新聞記事を見て即座に購入したことを昨日のように覚えています。

 

その商品は、白物家電。

白物家電の購買意思決定者は、主婦ですが、同商品は男性向けを狙ったものでした。

 

価格は、業界平均よりも高く、平均価格のおよそ2倍程度。

デザインもド派手で、どう転んでも「女性は絶対に買わない」商品に仕立て上げられていました。

 

中途半端にやらず、徹底して女性を遠ざけるデザイン・プライス戦略は、狙った男性市場に大受けだったようで、記録が分かる範囲で12000台。おそらく累計ベースだと少なく見積もってもその3倍は売り上げていると想定されます。

 

これは、同カテゴリーにおいては異例の大ヒット商品です。

 

懐かしく思い、先日久しぶりに同社のホームページを見にいきました。

 

しかし、なんとデザインは大幅に変わり、尖っていたデザインが、その他大多数の商品と同じようなデザインに迎合しているではありませんか。

 

アマゾンで価格を見ても、以前の半額以下。

残念ながら、同商品は売上が激減していることは、間違いありません。

 

 

なぜ、このような事が起きてしまうのか。

 

おおよその推測がつくので、こういったドツボにハマらないように学びを深めておきたいと思います。

 

私も様々な業種の企業に入り込み「売上拡大」のお手伝いをします。

 

  • 営業マンのトークスクリプトの整備、提案書のあり方の見直し
  • ダイレクトメールの発送先、DM内容などの見直し
  • WEBサイトからの流入強化策の策定
  • 展示会のトータルプロデュース

 

など、見込客ができる瞬間の「認知設計」や、商談~クロージングに至るまでの「営業設計」を行っています。

 

それこそ、年間に何十回と仮説を立て、検証し、原因を追求し続けてきているわけですから、一企業で働くよりも数倍の経験ができるわけです。

 

人間が、どう認知をしたのか?

 

仕事以外の日常生活でも、常にこの一点に興味関心を抱き、意識を集中させていかなくては、クライアントさんに結果を出してもらうことなどできない仕事をしています。

 

冒頭の白物家電をプロデュースした知人マーケッターも、明らかに「仕事の虫」です。

これまでの実績を聞いて、結果を出すプロセスを聞いて分かりましたが、かなりのやり手です。

 

そのプロが考えた「奇抜なデザイン」には、ちゃんと意味があります。

 

ただ単純に「男性向けの白物家電」とPRしても、人々は認知をするどころか、スルー状態になるはずです。

 

「ふーん。男性向けね…」と、興味・関心にまで行き届かない可能性が高いわけです。

 

なので、売り手として、もう一歩突っ込んで考えなくてはいけません。

 

 

「男性向けのこだわりを尽くした商品であることを3秒で気づかせ、興味・関心を惹きつけるためには何が必要か?」と。

 

 

デザインやコピーは、そのための「手段」でしかありません。

「目的」は、あくまでも売上向上です。

 

しかし、意外にも多いのが、デザインにしろ、コピーにしろ、「好き嫌い」で判断されがちであることです。

 

 

その判断が合っているとか、間違っているとかは、結果論。

 

それ以前に、「好き嫌い」といった「感情」で判断すること自体に大きな問題点が孕(はら)んでいることに気づかなくてはなりません。

 

 

商売は、買い手の感情が全てです。

買い手の感情を動かさないことには、売上には繋がりません。

 

焦点を合わせ、集中して考えるべきは、「顧客の心理」です。

 

 

自分(自社)がどう見られたいか? 自分中心の思考回路では、買い手からは見向きもされません。

 

感情の奴隷になると、世界が見えなくなってしまうのです。

 

思うように売上が伸びていない企業、商品、サービスは、ほぼこの罠にハマってしまっています。

 

冒頭の白物家電メーカーも、周りの人たちから「奇抜だね」「カッコ悪くない?」などと、言われたのでしょう。

 

日本人は「出る杭は打たれる」と、教育されてきていますから、周りから否定的な意見を言われると、どうしても引っ込みがちになります。

 

パーティーや会合などで、団欒(だんらん)の場であれば、わざわざ「出る杭」になる必要はありません。

 

しかし、ビジネスで、この情報氾濫時代に、お客様に気づいてもらい、興味・関心を抱いてもらい、購入に踏み切ってもらうためには、「出ない杭」は、存在しないのと一緒です。

 

 

1994年前後、560億円もの借金を抱えていた「近畿大学」(近大)は、2010年に黒字転換し、今や560億の借金も完済し、私学でNO.1の収益力を誇る経営改革を成功させました。

 

同校の広告は、非常に秀逸です。

 

「カミ頼みの受験はもうやめだ」

「近大に願書請求しないでください」

 

など、これまで莫大なコストがかかっていた資料請求、願書出願をネット出願に移行させコストを削減しながら、受験者数を増やしてきたそうです。

 

大学界の常識を逸脱したコピーですが、近大が大事にしてきた「広告出稿における3つの基本」は、是非とも押さえておく必要があります。

 

  1.  目立つこと
  2.  大学名を隠しても「近畿大学」の広告であるとわかるような広告にすること
  3.  クリエイティブを代理店に丸投げにしないこと。

 

です。

 

 

情報が氾濫する時代、「出ない杭」は存在しないと一緒です。

 

周りの人に「ちょっと派手じゃない?」「ちょっと過激じゃない?」と後ろ指を指されても怯(ひる)む必要はありません。

 

逆に、「よし、目立っているのだな、やってみよう!」と喜ぶくらいの肝っ玉が必要です。

 

横並びの時代で、儲かる時代はもう遠い過去の話です。

 

あなたは、他人に後ろ指を指されても、顧客の目線に意識を集中させることが出来ますか?