とことん「本質追求」コラム第69話 社長の決断

伸びる事業を育てるコツがあるとすれば… 

様々な業種、様々な経営環境がある中、成功している事業を育て上げた社長には、ある一つの共通点が存在する事に気づかされます。 

先日、クライアントさんの社長から昔話を聞いていて、改めて感じた次第です。 
端的に言いましょう! 
捨てる覚悟を持っている社長は、大いに事業を伸ばされています。 
いや、もっと現実的に言うと『しがみつかない決断力』は、成長力と見事なほど相関関係にあると感じます。

あなたは、98%の売上をあげている商品をキレイさっぱり捨てられる決断力を持ちあわせていますでしょうか? 

創業期の頃のお話なので、仮に年間売上3000万円だったとして、2940万円を捨て、たった60万円しかない新規事業に賭けるというのです。 

当日からいる社員は『あの時は社長は気が狂ったかと思いました…』と未だ引きつって顔でお話されていましたが…その横で社長は涼しい顔をしています。 

その新商品は、ライフサイクルから見ると「導入期」の状況でした。 
成熟期の営業もシンドイですが、実は導入期の営業はもっと大変です。 
興味を惹きつける技術。 
信用してもらう技術。 
行動してもらう(背中を押す)技術。

そして、導入期の購入者層である「挑戦的資質」をもった購入者は営業側に強いエネルギーがないと契約には至らないのです。

 

導入期の営業には「迫力」「信念」「覚悟」そして「溢れんばかりの知恵」が必要不可欠となのです。 

その2%の売上に賭けた社長は、未知なる商品を未開拓の市場にいかに売ってきたか… 

  • 業界にまだリースが登場していない時代に、先陣をきったり。 
  • 即決商談が出来る様、価格早見表を作成したり。 
  • 業界団体とコネクションを作り、独占展示会を開いたり…。

 

一つの商品を市場に浸透させるために、様々な創意工夫を打ち出し、怒涛のごとく新規開拓を続けてきました。

 

最高の知恵は、逆境の最中に生まれます。 
逆に言うと逆境を避ける経営判断を続けていくと、圧倒的な成果をあげる「知恵」が産まれてこないのです。

 

30年経った今、たった2%の可能性に賭けた社長は、ある業界で販売シェア7割を握る業界の雄になりました。

さらに現在でも手綱を緩めず、既存商品をもって、果敢に新市場開拓したり、新商品を既存市場に売り混んだりチャレンジングな行動を続けています。 
そのリーダーシップ力に社員のみなさんも必死についていき、組織全体が力強い営業力を発揮しています。

 

普通の組織では一般的に、売れる営業マンが2割。可もなく不可もない営業マンが6割。うだつの上がらない営業マンが2割と言われていますが…

同社では9割以上の営業マンが予算をしっかりと達成する強烈な組織運営を続けています。

その中でも圧倒的な実績をあげているトップセールスマンをご紹介頂き、お酒を飲む機会に恵まれたのですが…

今の時代にびっくり仰天。 
パソコンに向かう時間は、ほとんどないと言うのです。

余計な作業をも捨てる…。

圧倒的な成果を出す人は、普通の人が捨てたくないものを、勇気を持って捨てている人なのです。

成果を出すために…あなたは何を捨てますか?