とことん「本質追求」コラム第463話 売上が上がらない2つの原因と10のチェックポイント

 

『良いものが出来ても、営業力が無ければダメですよね…』

 

先週の「第462話 事業再構築の成否は、最初の一歩でほぼ決まる」(https://www.j-ioc.com/wp2024/column/8040/)を読んで旧知の経営者がFacebookからメッセージをくれました。

 

同社は、今では屈強のセールス部隊を抱える優良企業です。

このコロナ禍で多少の打撃は食らったものの、それでも安定した業績を保っているそうです。

 

4年前まで、営業マンはほぼゼロ。

社長一人で営業を頑張っていました。

 

ほぼゼロというのは、営業マンを雇っても成果が上げられず、配置転換を余儀なくされたり、残念ながら辞めて行ったり…

思う様に営業マンが活躍する舞台を作りきれずにいた状況が続いていたのです。

 

 

その間、その社長はずっと自身のマネジメントに問題があると思っていたのです。

しかし、波及営業のやり方を知ってからは、マネジメントの問題ではないことに気がついたそうです。

 

単に中途採用した営業マンが「その商品の本質的な魅力と相手の琴線に触れる伝え方がわからなかっただけ」だと。

 

「波及営業」に取り組むプロジェクトが終わった時に、こう仰っていたのが印象的でした。

 

「(商品知識を)知っているのと、(営業が)できるのとでは雲泥の差ですね。私自身も自社商品の魅力を改めて実感しました」と。

 

藤冨が関与した際の一番の褒め言葉をもらいました。

 

顧客から見た際の「自社商品の魅力」に磨きをかけること

その魅力を買い手に正しく伝え、購買までの誘導道路を整備してあげること

 

この「販売の環境整備」が出来れば、必ずと言って良いほど売上は上がります。

同社においても、社長お一人でも売上が倍増しました。

 

倍増する理由は簡単です。

社長の営業トークを「提案資料」や「ホームページ」に落とし込むことが出来たからです。

 

何も、「営業マン」は人間にしか出来ない訳ではありません。

ホームページやランディングページ、DMやパンフレットの「媒体」だって、営業マンに成り変わります。

 

みんなホームページを作ろうとするから、ホームページしか出来ないのです。

パンフレットを作ろうと思うから、パンフレットの役割しか果たさないのです。

 

ホームページを営業マンに変えてやる!

パンフレットを営業マンに仕立て上げてやる!

 

そのマインドセットが、あらゆる媒体を営業マンに変えていくのです。

 

見込客に価値ある提案をして、それを受け取った時のメリットを理解してもらい、そして購入までの手続きをシンプルに誘導できれば、人間でなくても売れてしまいます。

 

逆にいうと、この「販売の環境整備」さえ整えば、凡庸な営業マンも、売れる営業マンに生まれ変わることができるのです。

 

 

明らかにやる気もなく、積極性のかけらもない営業部隊で売上が右肩下がりの企業をお手伝いし、生まれ変わった経験もしています。

その「起点」となったのは、「価値ある商品を売ることが出来るという自信」がついた瞬間でした。

 

私が同社のプロジェクトに入った瞬間は、営業マンはみな疑心暗鬼でした。

 

しかし、私が、同社の顧客を訪問し、顧客の口から同社商品の魅力を浮き彫りにしブラッシュアップしたところ、目つきが変わりました。

これまで営業マンが自社商品に対して抱いていた「不満」も解消すべく、商品改良を行い、同時にホームページ、カタログ、提案書等の見直しを行いました。

 

これまで月に1〜2件しか来なかった問い合わせも、確度の高い問い合わせが増え始め、受注件数も並行して増加。

売上が上がり始めた実感を持ってからは、これまで決して積極的な態度とは言えない営業部隊が、勢いづいてきたのです。

 

本コラムでは何度も言っていますが「人間は勝てる戦だと実感した時に、力を発揮できます」

 

勝てる戦…

営業に置き換えると「売れる商品」があれば、力を発揮できるのです。

 

「販売の環境整備」に必要なことは

 

1. 差別化された価値ある商品

2. 相手の琴線に触れる価値の伝え方

3. 信用の移転効果が働く、第三者評価(※1)

4. 見込客を集める仕組みづくり

5. 営業マンの後方支援

6. 顧客フォロー充実

 

の6つポイントです。

 

 

詳細を記載すると、長くなってしまいますので、次回のコラムでご説明します。

 

ただ「販売の環境整備」の必要性だけは、今日この場で正しくご認識頂きたい。

 

売上が上がらない理由を大別すると2つしかありません。

 

商品が悪いのか

売り方が悪いのか

 

の2つです。

 

・商品が悪いにも5つの理由があります。

①. 売り出すタイミングが悪い

②. ターゲットがぼやけている(その為、必要機能や要素がぼやける)

③. 売り手が考えた顧客メリットが現実とズレている

④. 競合商品よりも劣っている

⑤. 他の代替案の方が魅力的

 

の5つのいずれかに「売れない原因」が潜んでいます。

 

 

・売り方が悪いのにも、5つの理由があります。

①. 商品やサービスの魅力が、買い手目線で表現できていない

②. 見込客発掘→商談→クロージング→顧客フォローの一連の仕組みが磨かれていない

③. 買い手の購入リスクが高いまま、放置されている

④. 営業マンが自社商品に対して「自信と誇り」を持っていない

⑤. 売れば売るほどリスクが高いと社員が感じている

 

この5つの内、いずれかが「売上が上がらない原因」に組み込まれています。

 

当然、原因が一つであるケースは稀で、「売上が上がらない原因」は複数あり、お互いに絡み合っているケースが多々あります。

 

この絡み合った糸を見つけ出し、丁寧に解くことが出来れば間違いなく売上はあがります。

 

「売れない」を「売れる」に変えるだけではありません。

「売れる」を「さらに売れる」に変えていくアプローチです。

 

胸に手を当てて考えてみてください。

何か思い当たる節はありませんか?